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尿もれ対策を薬剤師が解説

家治川 真代

そのお悩み、私がお答えします!  / 薬剤師 女性の健康マイスター 家治川 真代

くしゃみなど日常の何気ない動作や、ふとした突然の尿意で失禁してしまう尿もれ。外出先での不安から旅行をあきらめてしまうなどもQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の低下につながり、気分もふさぎがちに。実は成人女性の約3人に1人が経験している症状なので、特別なことだと抱え込まず日常の対策を考えていきましょう。

尿もれには大きく分けて2つのタイプがあります

腹圧性尿失禁

せきやくしゃみをした時 
妊娠中あるいは出産後 
きつい矯正下着をつけている 
重い荷物を持ち上げた時 
更年期
運動中
便秘

お腹に力が入る動作で起きやすいのがこのタイプ。膀胱や尿道、子宮など骨盤内の臓器を支えている筋肉を「骨盤底」と言いますが、腹圧性尿失禁はこの骨盤底のゆるみが原因。ゆるみによって支えきれずに膀胱や尿道の位置が下がり、尿道をしめることがスムーズにできなくなって尿もれしてしまうのです。妊産婦に多く見られますが、産後による尿もれの場合、9割は1年以内に軽快すると言われています。

症状に気づいたら?

骨盤底筋トレーニングのススメ

骨盤底のゆるみを改善し、尿道をしめつける働きをサポートする骨盤底筋トレーニングをしてみましょう。開始してすぐに結果が出るわけではないので、少なくとも2ヶ月以上は根気よく続けてみてください。

仰向けの姿勢で
  1. 仰向けに寝て足を肩幅に開き、両膝を軽く曲げて体をリラックス。
  2. その姿勢のまま、1分間に12〜14秒の割合で肛門、尿道、膣全体を締め、陰部全体をじわじわっと引き上げる感じで骨盤底を締める。お腹、足、腰に力が入らないよう意識し、きつい場合は5秒ぐらいから始めて慣らしていく。
  3. 1分間のうち、残りの46〜48秒は、体の力を抜く。この動作を10回、10分間繰り返す。
壁に寄りかかった姿勢で
  1. 両膝を軽く開いて床に座り、壁にもたれる。足の付け根の股部分(肛門括約筋の近く)に手のひらをあてて、骨盤底の位置を確認する。
  2. その姿勢のまま、1分間に12〜14秒の割合で肛門、尿道、膣全体を締め、陰部全体をじわじわっと引き上げる感じで骨盤底を締める。お腹、足、腰に力が入らないよう意識し、きつい場合は5秒ぐらいから始めて慣らしていく。
  3. 1分間のうち、残りの46〜48秒は、体の力を抜く。この動作を10回、10分間繰り返す。

切迫性尿失禁

尿意やちょっとした刺激に対して膀胱が過敏に反応し、勝手に収縮してしまうことで起こるのがこのタイプ。特に高齢者に多くみられます。尿もれを気にしすぎるあまりトイレに行く回数を多くしてしまうと、膀胱が尿をたくさん貯められないため、かえって尿意が頻繁になり悪化させることがあります。

尿意が抑えられずコントロールできない
冷たい水に触れた時
膀胱炎や尿管結石がある
水の音を聞いた時
脳や中枢神経の疾患がある
寒い時、湿気がある時
尿意に敏感

症状に気づいたら?

膀胱トレーニングのススメ

切迫性尿失禁は薬による治療が一般的ですが、軽症の場合は尿が膀胱にたまるまで我慢をして膀胱をふくらませていくようなトレーニングが有効です。ただし、症状が膀胱トレーニングに適しているか注意が必要です。膀胱や脳、中枢神経に疾患のある方には効果がありません。トレーニングを始める時は必ず医師の指示に従ってください。

STEP1 まずは5分ほどガマン

尿意を感じても、5分ほど我慢するのがトレーニングの第一歩。無理はよくないので、とにかく最初はできる範囲で我慢しましょう。
尿意が増しても深呼吸をしながらおちついてイスに座り、下着や洋服の上から尿道のあたりを手で押さえ、尿意がおさまるのを待ちます。尿意のピークを過ぎるとだんだんにおさまり安定してくるのであせらずに。膀胱は本来、ゴムのように弾力性のある袋なので、尿意を感じてから1時間ぐらいは我慢できるようにできていることを認識しましょう。

STEP2 慣れてきたらガマン時間をのばす

5分がクリアできるようになったら、さらに10分、15分、20分と時間をのばしていきましょう。「1週間ごとに我慢する時間を5分ずつのばしていく」など、自分なりの目標を立てるのもおすすめ。結果的に、昼間の排尿回数が5〜6回位、尿意の間隔が3時間ほどになってくれば、膀胱は正常にコントロールできている状態といえます。

あれこれ工夫で、尿もれに悩まない快適な日々へ!

トイレをガマンする

チーズ、ワイン、ビールなどの発酵食品は食べ過ぎないように。カフェインを含むコーヒーやアルコールは利尿作用があるため、外出先でトイレが気になる方はその時だけでも控えるようにしましょう。ただ、尿もれを気にするあまり水分を控えすぎて脱水気味になるのは問題。状況に合わせてバランスよく摂りましょう。

旅先など、外出先では

「旅先の長距離バスが不安」「みんなのいる前で我慢できなくなったらどうしよう」と不安を抱えてばかりでは日常を楽しめません。事前に市販薬を飲んでおく、尿もれ対応パンツを履くなどの対策をしておけば気持ちの面でもだいぶラクになると思います。

生理用ナプキンはNG!

尿もれ対策に生理用ナプキンを使う方が意外にも多いのですが、これは間違い。生理用ナプキンは血液を吸収するための素材で作られているので、水分を十分に吸収することができません。かえってムレてしまい皮膚にもよくないので、きちんと水分を吸収する尿もれ専用の製品を使ってください。専用の製品には吸収量の目安がありますので、ご自身にあったものをお使いいただくといいでしょう。

排尿日誌をつけてみる

尿もれに限らず、排尿に悩みのある人は自分の毎日の尿を記録してみましょう。

計測は計量カップをトイレに置いておけば簡単。外出先で測れなければ大まかな記録でもかまいません。何を飲んだか書きとめてもおくのもよいし、気軽な気持ちで。
日誌をつけることで飲食の生活パターンもわかり、医師の診察を受ける時も話がスムーズです。