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2014年5月28日 掲載

食中毒の薬を薬剤師が解説

薬剤師 女性の健康マイスター 中川 浩美

そのお悩み、私がお答えします!/ 薬剤師 女性の健康マイスター 夏目裕子

細菌がついた食べ物が原因で頭痛や発熱、嘔吐、下痢などを起こす食中毒。
毎日の食事や調理が大きく関係するのはみなさんもご存知ですよね。
湿気や温度が上がり出すこれからの季節、自分や家族のために対策を知っておきましょう。

夏場に多い6つの食中毒

食中毒はウイルスや細菌から発生しますが、夏場は特に細菌性のケースが多く見られます。下記の6つは特に夏場に発生しやすい細菌。また食品だけでなく調理器具から感染するケースもあり、特に赤ちゃんやお年寄りは下痢で脱水症状を起こすと命の危険もあるので注意が必要です。

細菌による食中毒事故月別発生件数(2008年~2011年の平均)厚生労働省発表資料より
 原因となる主な食品細菌の特徴主な予防ポイント
黄色ブドウ球菌 おにぎり、サンドイッチ等 人や動物の
手指、鼻、咽喉等に潜伏
・手指に傷や化膿がある人は調理をしない。
・手指洗浄剤の使用。
病原性大腸菌 多種にわたる食品
生肉
井戸水
熱、消毒剤に弱い。
重症化すると溶血性尿毒症や脳症で命の危険がある場合も。
・食肉類の加熱は75℃以上1分以上で
・定期的な水質検査
・十分な手洗い。
サルモネラ菌 鶏卵、鶏肉 家畜やペット、
川や下水等にも潜伏。
熱に弱い
・食肉類の生食を避ける
・生食の加熱は75℃以上1分以上で
・卵は冷蔵保存。
腸炎ビブリオ 魚介類 海水程度の塩分を好む。
真水や酸に弱い。
・食品は低温管理で(5℃以下)
・料理の加熱料理は75℃以上1分以上で
・魚介類は真水で洗う
・二次感染予防の徹底
カンピロバクター 鶏肉
飲料水
ペットを含むあらゆる
動物内に潜伏。
・生食と調理した肉類は別々に保存を
・十分な加熱
・飲料水の煮沸
・二次感染予防の徹底
ウェルシュ菌 水や土壌
食肉加熱調理品
(カレー、シチュー等)
酸素が少ない大量
調理食品の中で増殖。
・十分な加熱
・調理後は早めに食べる
・加熱食品は短時間冷却・低温保存で
・弁当や集団給食に注意

食中毒にならないための基本3原則

【その1】つけない! 調理をはじめ日常生活の中で細菌をつけないようにすることが第一です。

【その1】つけない!

● 手洗い

料理をする前、トイレ後、外出から帰宅した時は必ず手を洗う習慣を。殺菌効果のある薬用石けんが強い味方になります。

● まな板と包丁の使い分け

まな板と包丁はできれば肉、魚、野菜別に揃えるとよいでしょう。まな板は薄めのものであれば上から重ねて使えばOK。使い分けが難しい場合は最初に野菜を切り、その後で肉や魚を切るという順番に切り替えてください。

● 二次感染を防ぐ

家族で感染者がいた場合、トイレ等のドアノブは殺菌消毒液で拭き取ります。感染者の便を始末する時は使い捨てのゴム手袋をはめ便や嘔吐物で汚れた下着は、塩素系の漂白剤で漂白する※。もしくは熱湯で煮沸するなどしてしっかり消毒してください。

※添付の使用方法をよくお読みになってご利用ください


【その2】増やさない! 食べ物に付着している細菌を増殖させないことが、発症を防ぐカギです。

【その2】増やさない!

● 買ったらすぐに冷蔵庫へ

温度の高い季節ほど細菌は増殖しやすくなるので、生鮮食品の中でも特に肉、魚、卵は帰宅したらすぐに冷蔵庫へ。夏場に刺身など生ものを持ち帰る時は保冷バッグを持参するとなおよいでしょう。

● 冷蔵庫は10℃以下に

細菌の繁殖は10℃以下の環境で弱まります。

● 冷凍庫は-15℃以下に

細菌の繁殖は-15℃以下の環境になると停止します。

卵のカラには菌がいっぱい!?
卵のカラには菌がいっぱい!?

たいていの冷蔵庫は卵と他の食品を分けて収納するように作られていますが、実はこれ、割れやすいからだけではないんです。

他の食品と離れた場所にしまうのは、卵のカラにはサルモネラ菌が付着している場合もあるからです。カラを割った後は念のため手を洗うようにしましょう。


【その3】やっつける! 付着している細菌はしっかり殺菌・除菌しましょう。

【その3】やっつける!

● ふきんやスポンジの消毒

キッチンで使うふきんや食器を洗うスポンジに細菌をつけたままにしないよう、煮沸や漂白で除菌しましょう。除菌ができるタイプの食器洗い洗剤をスポンジにしみこませたり、まな板にふりかけておくだけでも効果があります。

● 目安は75℃で1分以上の加熱

たとえば、ウイルス性の食中毒で知られるO-157は75℃で1分以上加熱すると死滅します。

食中毒の対処方法

細菌を殺す内服薬はないので、食中毒は菌を体内から出してしまうしかありません。

ただ症状がひどい場合や子供、お年寄りがなってしまった場合は病院に行くことが先決です。

● まずは水分補給

嘔吐や下痢で脱水症状を起こさないよう、どんなに辛くても常に水分補給をしてください。

● 整腸剤を飲む

症状が出始めたらすぐに飲んでOK。お腹の調子を整えます。

● 下痢止めを飲むのはNG

食中毒で下痢や嘔吐するのは体が菌を出し切ろうと戦っているサイン。
下痢止めは菌を出す妨げになるので辛くても飲まずに安静にしてください。

薬剤師 女性の健康マイスター 夏目裕子

備えあれば憂いなし!予防3原則を心がけましょう。

今回は夏場に多い食中毒の話がメインでしたが、冬場はノロのようなウイルス性の食中毒も気になりますよね。
ただ、事前に予備知識を持っておけばそこまで怖がることもありません。
つけない、増やさない、やっつけるのポイントを知って、安心して食事を楽しめるようにしましょう。

参考文献:
政府広報オンライン
食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント食中毒予防の3原則
花王株式会社
食中毒発生状況
ライオン株式会社
代表的な食中毒の原因と症状
農林水産省
日本で食中毒にかかる人は年に何人?
東京福祉保健局
家庭や施設における二次感染予防ガイドブック
和光堂株式会社
赤ちゃんを食中毒から守ろう