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2013年7月31日 掲載

不眠症の薬を薬剤師が解説

薬剤師 女性の健康マイスター 山口美恵

そのお悩み、私がお答えします! / 薬剤師 女性の健康マイスター 山口美恵

ベッドに入ってもなかなか寝つけなかったり、夜中に目が覚めてしまったり・・・睡眠に関する悩み、抱えていませんか?
睡眠は、ただ身体を休めるだけでなく精神的な疲れを取り除いたり、記憶の情報を整理するために大切なこと。健やかな毎日を送るためにも、質のよい眠りをめざしましょう!

不眠の症状には主に4つのタイプがあります

  • 入眠障害

    布団に入ってから1時間以上
    経っても眠れない

  • 中途覚醒

    トイレ以外で、夜中に
    目が覚めてしまうことがある

  • 早朝覚醒

    十分に睡眠をとらないうちから
    朝早く目が覚めてしまう

  • 熟眠障害

    朝目覚めても疲れがとれた
    感じがせず、日常生活にも
    支障が出がち

その症状を放っておくと・・・

眠っている間に細胞が修復されるので、肌荒れなど美容面で影響があります。また、集中力がなくなったり物忘れが起こりがちになり、うつ病のリスクが高まるとも言われています。

睡眠中はコルチゾールという副腎皮質ホルモンが分泌されますが、寝不足でこのホルモンが減少すると太りやすくなったり疲れやすくなるもとに。高血圧症や糖尿病の引き金にもなるので、たかが眠りといえども注意が必要です。

睡眠トラブルが原因で、仕事や家事の支障が連続して1週間以上続く場合は病院で相談してみましょう。

ヒトはこうして眠くなる! ~眠りのメカニズム~ 

睡眠と覚醒の切り替えリズムを調整しているのは、睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」という物質。
朝、目の網膜を通して光を浴びることで約15時間後に脳からメラトニンが分泌され、夜になってその分泌がピークになると眠気がきます。このようにメラトニンは、体内時計の役割をもっています。

メラトニン、体内時計

メラトニンの分泌は光によってコントロールされているので、夜中に光を浴びたままだとメラトニンが減り、不眠の原因に。夜更かしすると眠れなくなることがあるのは、光を浴びてリズムが乱れることが原因です。

メラトニン分泌量

眠りをさまたげる原因は、こんな理由も考えられます

  • ① 夜更かし

    夜遅くまで携帯電話やテレビ、ゲーム、パソコン作業などで光を浴びていると、メラトニン分泌の自然サイクルがさまたげられて眠れなくなることがあります。

  • ② カフェインなど刺激物の摂りすぎ

    カフェインは脳にとって刺激物。夜に摂るのはもちろん、日中の摂りすぎも影響があります。カフェインはコーヒーやお茶だけでなく、栄養ドリンク、ビタミン剤にも含まれていることをお忘れなく。ドリンク剤の表記を見て「無水カフェイン」と記してあるものはカフェイン入りです。

  • ③ 昼寝

    日中に寝すぎてしまい眠れなくなった経験はどなたにでもあるはず。本来、脳を休めるための昼寝は20分もあれば十分。15時以降の昼寝は控えた方がいいでしょう。

  • ④ 過度なダイエット

    炭水化物をとことん減らすダイエットが問題となっていますが、炭水化物に含まれるブドウ糖(糖質)は、脳にとって不可欠なご馳走のようなもの。ブドウ糖が過剰に不足すると脳内で作られるホルモンの生成にも影響が出てしまうため、不眠につながることがあります。

  • ⑤ 寝具の相性

    寝具の中でも特に影響するのが枕。高さや固さなどが自分に合っていないと寝相が乱れて寝返りをうてず、夜中に目が覚めてしまうことになります。

  • ⑥ ストレスなどの生活環境

    悩みごとや考えごとをしていると眠れなくなるように、ストレスはまさに不眠のもと。夜になってもなかなか気持ちの切り替えができず、不眠になってしまう場合が考えられます。

めざせ、快眠! 日常生活で心がけたいことって?

食生活で摂りたいものと避けたいもの 

不眠予防に摂りたいもの

  • 牛乳

    牛乳に多く含まれるカルシウムは、脳や神経の興奮を鎮めてくれる作用が。
    深い眠りのサポートをしてくれる「セロトニン」というホルモンの原料となるアミノ酸「トリプトファン」も含まれています。

  • バナナや赤身の魚

    牛乳と同じく、アミノ酸の一種である「トリプトファン」が豊富に含まれています。

  • ハーブティー

    血行を促して体を温めることで冷えを改善して眠りを誘います。

  • ブドウ糖

    脳のエネルギーとなるメラトニンとセロトニンを作ることができるのはブドウ糖のみ。米やパン、麺類、果物などに多く含まれます。

不眠予防に避けたいもの

  • タバコ

    タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があり脳にとって刺激物となります。快眠の妨げになりますので少なくとも寝る1~2時間まえの喫煙は避けましょう。

  • カフェイン入りの飲料

    コーヒーや紅茶、緑茶などカフェイン入りの飲み物はできれば就寝6時間前までにしておきましょう。

  • 寝る前の食事

    油っこいものなど、特に消化の悪い食べ物は体に負担がかかるので睡眠のさまたげに。食事はできれば寝る2~3時間前に済ませておくのが理想です。

  • 飲酒

    お酒を飲むと眠れるといいますが、実は脳が一時的なマヒ状態になっているだけ。そのまま寝てしまうと脳に疲労を残すことになります。

おやすみ前の環境作りも大切です

  • 寝返りできる寝具選びを

    寝返りというと寝相が悪い印象がありますが、実は寝返りには血行や体温をコントロールしたり、体のゆがみを整えて疲れをリセットさせるという大切な役割があります。枕や布団、ベッドなどの寝具が自分に合っていないと寝返りの回数も減ってしまうので、心当たりがある場合は一度見直してみましょう。

  • 寝室内の温度もチェック

    寝室内の温度が高いと眠れないことが。人が眠りにつく時は、手足から熱を放出させ、体の深部体温を下げると同時に脳の温度も下げて疲労を回復させようとします。ところが室内の温度が高いと体から熱の放出がうまくできず体温が下がりにくくなるため、眠りのスイッチが入らないのです。ご自分に合う室内の適温を見つけていきましょう。

薬剤師 女性の健康マイスター 山口美恵

睡眠は量より質を重視しましょう

理想的な睡眠時間というのは人それぞれ異なるもの。理想は6時間とよく言われますが、3、4時間で十分な人もいれば9時間以上必要な方もいらっしゃいます。結局、睡眠は量より質。自分が不眠だと感じたり、夜は眠れないのに昼間は眠くなるなど、日常生活に負担があると感じたら医療機関の受診をおすすめします。