腸の健康について調べていると、「低フォドマップ食」という言葉を目にすることがあります。

何となく身体に良さそうだと感じて、試してみたいと思っているかもしれません。

とはいえ、一般的に「フォドマップ」という言葉にはなじみが薄く、具体的にはどのような食品をさすのかわかりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、フォドマップや低フォドマップ食の基本情報を解説し、加えて低フォドマップ食と高フォドマップ食を一覧で紹介します。

低フォドマップ食をはじめる前に知っておきたい情報をまとめたので、実践前にチェックしましょう。

フォドマップとは小腸で消化吸収されにくい糖質の総称

まず、「低フォドマップ食」を知る前に、「フォドマップ」について理解しましょう。

フォドマップとは、小腸で消化吸収されにくい糖質の総称です。

フォドマップは英語で「FODMAP」とあらわし、以下の頭文字から名付けられています。

F：fermentable 発酵性の
O：oligosaccharides オリゴ糖
D：disaccharides 二糖類
M：monosaccharides 単糖類
And
P：polyols ポリオール（糖アルコール）

フォドマップを多く含む食品を摂りすぎると、腹痛や下痢を引き起こしたり、お腹にガスが溜まりやすくなったりするとされています。

さらに、人によっては過敏性腸症候群を引き起こす場合もあるようです。

過敏性腸症候群とは、腸に異常は見当たらないのに慢性的な腹痛や下痢などが起こる状態です。

過敏性腸症候群に関する詳しい情報は別の記事で解説しているので、こちらもあわせて参考にしてください。

【医師監修】過敏性腸症候群（IBS）の症状・原因を解説！チェック方法や対策法も

低フォドマップ食とはフォドマップを控えた食事のこと

「低フォドマップ食」とは、小腸で消化吸収されにくい糖質であるフォドマップを控えた食事のことをさします。

低フォドマップ食を実践する際には、高フォドマップ食を控えて低フォドマップ食を食べますが、これは極端な食事制限をするものではありません。

「身体と食品との関連性をさがす」という目的があります。

一旦、高フォドマップ食を制限することで、調子が悪い原因は高フォドマップ食にあるのかどうかを知ることができます。

そして、少しずつ高フォドマップ食を食べることによって、どの食品が身体の不調の原因となっていたのかが判明する、といった意味を持ちます。

【一覧】低フォドマップ食と高フォドマップ食

実際に低フォドマップ食に取り組む際には、どの食品が低フォドマップ食に該当するのか知る必要があります。

ここでは、低フォドマップ食を実践するときに活用できるよう、低フォドマップ食・高フォドマップ食の例を一覧表にまとめました。

低フォドマップ食の例としては、以下の食品が挙げられます。

低フォドマップ食を実践するときは、これらの食品を中心に摂取しましょう。

低フォドマップ食

次に、高フォドマップ食に該当するのは、以下のような食品です。

低フォドマップ食を実践するときは、これらの食品は控える必要があります。

高フォドマップ食

なお、紹介した食品以外にも、低フォドマップ食・高フォドマップ食はたくさんあります。

そのため、低フォドマップ食を実践するときは、都度ご自分で調べながら取り組むことが大切だといえるでしょう。

低フォドマップ食を実践するときの注意点

間違った方法で低フォドマップ食を実践すると、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。

低フォドマップ食をはじめたいなら、事前に注意点についても知っておきましょう。

同じ食材でも調理方法によってフォドマップの量が変わる

同じ食材でも、組み合わせや調理方法が変わればフォドマップの量も変わることを覚えておきましょう。

例えば、白菜や唐辛子は低フォドマップ食ですが、組み合わせてキムチにすると高フォドマップ食になります。

また、カレー粉は低フォドマップ食ですが、カレーソースは高フォドマップ食です。

特にこうした食材を食べる際には、「低フォドマップ食のつもりで食べていたら、実は高フォドマップ食だった」とならないように注意しましょう。

とはいえ、フォドマップ食は厳しい食事制限が目的ではなく、自分にあわない食材を見つけるために行うものです。

もし食べても身体の不調がないのであれば、フォドマップを気にせずに食べても問題ないでしょう。

栄養バランスが偏らないように注意する

低フォドマップ食だけを食べて高フォドマップ食を一切食べない食生活を長く続けるなど、極端な食事制限は栄養バランスが偏るため望ましくありません。

高フォドマップ食にも身体に必要な栄養素が多く含まれているので、適度に摂取する必要があります。

「高フォドマップ食は絶対に食べない」という考え方ではなく、「身体の不調の原因となり得る食品は控える」という心持ちが大切です。

また、高フォドマップ食には腸の働きを良くするものも多いため、高フォドマップ食を制限すると便秘になることがあります。

もし便秘になったときは、食物繊維が多いものを意識的に食べましょう。

低フォドマップ食を実践する方法

低フォドマップ食・高フォドマップ食の具体例、そして注意点もきちんと理解できたら、実践する方法についても確認しましょう。

なお、ここでは一般的な実践方法を紹介しますが、自己流の間違った方法でやると栄養不足になる恐れがあります。

実践するときは医師に相談し、アドバイスを受けてから行いましょう。

低フォドマップ食をはじめる流れとしては、まず高フォドマップ食を制限して、低フォドマップ食を2〜3週間程度摂取することからはじめます。

2〜3週間後、お腹の不調に改善が見られれば、このまま継続して次のステップに移ります。

一方、何も変化がない場合は、不調の原因は高フォドマップ食ではない可能性が高いため、ここで中断しましょう。

次に、5〜6週間かけて、制限した高フォドマップ食を1種類ずつ摂取していきます。

どの高フォドマップ食が自分にあっていないのかを確認していく工程です。

最後に、自分にあわなかった高フォドマップ食を避けて、バランスの良い食生活に戻していきます。

まとめ

低フォドマップ食を実践すると、腹痛や下痢、過敏性腸症候群など身体の不調と食品の関連性をさがすことができます。

実践するときは、栄養バランスを考えながら行うことが大切です。

栄養不足やほかの不調を引き起こさないためにも、できるだけ医師に相談しながら実践することをおすすめします。

スギ薬局では、日々の不調に対策できる商品を多く取り扱っています。

身体に不調を感じて市販薬を購入するときは、自己判断せずに医師や薬剤師に相談してから購入しましょう。