豊かな味と香りが楽しめるコーヒーは、日常生活に欠かせないという方も多いでしょう。

しかし毎日何杯も飲んでいると、「コーヒーの飲みすぎではないか」と心配になることがあるかもしれません。

コーヒーを飲むこと自体に問題はありませんが、適切な摂取量を超えてコーヒーを飲むと、身体に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

この記事では、コーヒーを飲みすぎると身体にどのような影響があるのか、わかりやすく解説します。

さらに、1日の適切な摂取量や上手に生活に取り入れるポイントも紹介するので、正しい知識を身につけてコーヒーを楽しみましょう。

コーヒーの飲みすぎによる身体への影響とは

コーヒーに含まれるカフェインには、眠気覚ましやリラックス効果などが期待できるとされる一方、過剰に摂取すると身体に悪影響を及ぼすことがあるともされています。

ここでは、カフェインの過剰摂取が身体にどのような影響を及ぼすのか解説します。

吐き気や頭痛など心身への影響

過剰なカフェイン摂取は、吐き気や頭痛のような身体面への影響だけでなく、不安や興奮といった精神面にも影響を及ぼす可能性があります。

カフェインの過剰摂取によって生じるとされる主な症状は、以下のとおりです。

吐き気
頭痛
下痢
脱水症状
めまい
不安
震え
興奮

カフェインを過剰摂取すると、まず中枢神経が刺激されます。

続いて、神経や消化器官にも刺激が加わり、上記のような症状があらわれることがあるようです。

不眠や中途覚醒など睡眠への影響

就寝前にコーヒーを飲んで眠れなくなったり、眠ったとしても目が覚める頻度が増えたりした経験を持つ方は多いかもしれません。

カフェインには覚醒効果があるとされており、過剰摂取すると不眠・中途覚醒・入眠困難などの睡眠障害を引き起こす可能性があります。

睡眠への影響を避けるためにも、コーヒーを飲む時間帯には気を配る必要があるほか、就寝前にはカフェインを含まない別の飲み物を飲むようにすることも大切です。

長期的に飲みすぎると病気に繋がる可能性も

カフェインを長期的に過剰摂取すると、以下のような病気に繋がる、また胎児に影響が及ぶ可能性があるとされています。

高血圧
骨密度の低下
胎児発育不全など

コーヒーを飲むと、血圧が高くなることがあります。

高血圧になるのは一時的なものとされていますが、肝機能が低下している方は高血圧のリスクが高くなる可能性があるため、注意が必要です。

また、コーヒーの利尿作用によって、尿と一緒にカルシウムが排出されることがあります。

これが長期的に続くとカルシウム不足を引き起こしやすくなり、骨密度の低下に繋がることがあるようです。

さらに、妊娠中の方のカフェイン摂取は少量であれば影響を心配する必要はありませんが、過剰摂取すると胎児発育不全などのリスクが生じる可能性があるとされています。

1日にどれくらい飲んでもいい？カフェインの推奨摂取量

カフェインの推奨摂取量

ここからは、1日にどの程度コーヒーを飲んでも大丈夫なのか、厚生労働省の示す情報を参考にしてカフェインの推奨摂取量を紹介します（※）。

1日あたりの推奨摂取量を知って、毎日のコーヒーを楽しみましょう。

（※）厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ＆A ～カフェインの過剰摂取に注意しましょう～」

健康な成人の場合

日本では、カフェインの推奨摂取量について明確な基準が設けられていないのが現状です。

そのため、ここではカナダ保健省(HC)の基準を紹介します。

カナダ保健省(HC)では、健康な成人の場合、1日あたりのカフェインの摂取量として最大400mgまでとなることを推奨しています。

普段からコーヒーをたくさん飲む方は、1日あたりのカフェイン摂取量が400mgを超えないように注意しましょう。

妊婦や子どもの場合

前述のとおり、妊婦の方がカフェインを過剰摂取すると、胎児発育不全などのリスクが生じる可能性があるため、より摂取量には気をつけなくてはなりません。

妊婦の方の場合、前述した健康な成人の場合よりも1日あたりの推奨摂取量は少なめに設定されています。

妊婦の方についても、日本ではカフェインの推奨摂取量の明確な基準は設けられていないため、カナダ保健省(HC)の基準を紹介します。

妊婦や授乳中の方、妊娠を予定している方の場合、1日あたりのカフェイン摂取量は最大300mgまでが目安です。

ただし、妊婦の方の1日あたりの推奨摂取量は機関によってさまざまです。

世界保健機関(WHO)では、300mgを超える場合にはカフェインの摂取量を制限するよう注意喚起をしており、英国食品基準庁(FSA)では200mgまでとしています。

そのため、コーヒーなどを飲みたくなった場合でも、カフェインの摂取量は200～300mg以下に抑えると良いでしょう。

また、健康な子どもの場合も、健康な成人の推奨摂取量より少ない値が設定されています。

カナダ保健省(HC)が年齢に応じて推奨している摂取量は、以下のとおりです。

カナダ保健省(HC)が年齢に応じて推奨している摂取量

13歳以上の青少年の場合、体重1kgにつき2.5mg以下が推奨されています。

例えば50kgの青少年の場合、推奨される摂取量は125mg以下です。

なお、ここまで紹介した基準値はあくまでカナダ保健省(HC)や世界保健機関(WHO)などで発表されたものであり、先にも触れたように、国内では許容できる摂取量の基準が定められていません。

カフェインを摂取した際の影響は個人差が大きいため、あくまでカフェインの摂りすぎには注意しましょう。

コーヒーを上手に生活に取り入れるポイント

健康な方の場合、コーヒーは過剰摂取しなければ特に問題なく、無理に我慢する必要はありません。

コーヒーは豊かな味や香りが楽しめることはもちろん、眠気を覚ます効果やリラックス効果も期待できるとされています。

このように、コーヒーを適量飲むことで得られるメリットもあるので、過剰摂取に気をつけながら飲むようにすると良いでしょう。

ここからは、コーヒーを上手に生活に取り入れるポイントを紹介します。

コーヒー以外のカフェインを含む食品に注意する

コーヒー以外にもカフェインを含む飲み物・食品は多くあります。

コーヒーだけでなく、こうした飲み物・食品の摂取も含めて、前述した1日あたりの推奨摂取量を超えないように注意しましょう。

カフェインが含まれる飲み物・食品の例と含有カフェイン量について、以下の表にまとめました。

カフェインが含まれる飲み物・食品の例と含有カフェイン量

（※）食品安全委員会「食品中のカフェイン」

（※）東京都健康安全研究センター「妊婦の方やお子さんはカフェインの摂り過ぎに注意しましょう！」

エナジードリンクは商品によって含まれるカフェイン濃度の差が大きいので、飲む前に必ず確認しましょう。

コーヒーは就寝3～4時間前までに留める

前述のとおり、カフェインは睡眠に影響を及ぼすことがあるため、コーヒーを飲むタイミングに気を配ることが大切です。

カフェインの覚醒作用は3時間程度持続するとされています。

そのため、就寝する3～4時間前からコーヒーを飲むのは控えるようにしましょう。

加えて、敏感な方の場合は、就寝の5～6時間前には飲み終えるのがおすすめです。

カフェインの影響が心配ならカフェインレスコーヒーもおすすめ

カフェインによる身体への影響が心配な方は、カフェインレスコーヒーを取り入れるのも良いでしょう。

カフェインレスコーヒーは、通常のコーヒーと比べて含まれるカフェインが少ないところが特徴です。

就寝前に「どうしてもコーヒーを飲みたい」と思う場合には、大豆や大麦などを使っている代用コーヒーで、コーヒーのような風味を楽しむ方法もあります。

また、気分転換やリラックスできる飲み物として、ルイボスティー・麦茶など、まったくカフェインが含まれないノンカフェインの飲み物を選択肢に入れるのもおすすめです。

まとめ

コーヒーの飲みすぎによってカフェインを過剰摂取すると、身体の不調や睡眠障害など、さまざまな影響が生じることがあります。

とはいえ、コーヒーそのものを過剰に避ける必要はありません。

記事内で紹介した目安量を参考に、過剰摂取に気をつけながらコーヒーのある豊かな生活を楽しみましょう。

また、カフェインの過剰摂取が心配な方は、カフェインレスコーヒーや代用コーヒーなどを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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さまざまな種類のコーヒーや、ノンカフェインの飲み物も取り扱っているので、普段のお買い物にもぜひご活用ください。