風邪はくしゃみや鼻水、発熱、のどの痛みなど、さまざまな症状を伴う感染症です。

「風邪は引き始めが肝心」といわれるように、引き始めの対処次第で治るまでの期間が変わってきます。

そこで今回は風邪の引き始めに着目し、主な症状と、風邪を長引かせないための適切な対処法を紹介します。

風邪の引き始めの症状

私たちの身体は、ウイルスが体内に侵入すると、排除するためにさまざまな免疫反応を起こします。

風邪とは、ウイルスを排除するために上気道（鼻やのど）に起きる急性の炎症です。

特にウイルスは鼻やのどの粘膜に付着するため、上気道の粘膜では早い段階で症状が出ることも多いです。

風邪の症状はさまざまありますが、以下でよくある風邪の引き始めの症状を紹介します。

鼻やのどの違和感

最初にウイルスが付着する鼻やのどは、風邪の引き始めに症状が出やすい部位です。

そのため、風邪の引き始めには、鼻やのどに違和感がある、くしゃみ、鼻水、鼻づまりのどが炎症して赤くなるといった症状が出やすくなります。

寒気がする

寒気は身体がウイルスと戦うために、体温を上げようとして起こる症状です。
そのため、寒気は風邪の引き始めに起きやすい傾向があります。

室温が低くないのにゾクゾクとした寒気を感じる、身体が震える、厚着をして温かくしても寒気や悪寒が治まらない場合は、風邪の引き始めの可能性があるでしょう。

倦怠感がある

風邪の引き始めには、身体がだるい、頭がボーっとする、疲れやすいのような倦怠感を感じる方がいます。

風邪の引き始めに倦怠感が出るのは、身体がウイルスと戦うためにエネルギーを消費するためといわれています。

頭痛・発熱

私たちの身体は、体内に侵入してきたウイルスを排除するために体温を上げます。

発熱すると、同じくらいのタイミングで頭痛を感じる方も多いです。

風邪を引いても発熱がないケースもありますが、風邪の引き始めから体温が変化するケースもあります。

風邪の引き始めの対処法

風邪を長引かせないためには、引き始めに適切な対処をすることが大切です。

風邪の引き始めに適切な対処をすれば、症状を悪化させずに済む可能性もあります。

以下では、風邪の引き始めの適切な対処法について解説します。

十分な睡眠と休養を心掛ける

風邪の引き始めは、無理をせずしっかり休むことが大切です。

熱がなくても油断せずに睡眠と休養を取って、身体を休めましょう。

ウイルスと戦うためにも体力を消耗しないようにして、十分に睡眠を取ってください。

症状が軽いと、ついテレビやスマホを見たくなりますが、なるべく見ないようにして横になって過ごすと良いでしょう。

食事でしっかり栄養を摂る

風邪の引き始めには、消化がしやすく温かいものを食べましょう。

消化と吸収にはエネルギーを多く使うため、消化しにくいものを食べると、かえって身体に負担をかける可能性があります。

風邪の引き初めには、うどんや雑炊、煮込み料理などがおすすめです。

消化に良い野菜や、身体を温めてくれる生姜などをプラスすると良いでしょう。

水分補給をする

風邪の引き始めは、水分をしっかり摂ることも大切です。

特に発熱がある、食欲がない場合は、身体の水分が不足しやすいので意識して水分を摂るようにしてください。

脱水症状になると意識が朦朧とする可能性もあるので、注意が必要です。

水分補給には、水やスポーツドリンクも良いですが、ドラッグストアなどで販売している経口補水液や、身体が冷えないように、常温か温かい飲み物を摂るのもおすすめです。

温かくして過ごす

風邪の引き始めは、温かくしてゆっくり過ごしましょう。

特に寒気がするときは、身体が熱を上げようとしているので、しっかり温めるようにしてください。

ただし、熱が上がり切って暑いと感じるようになったら、無理に温かくする必要はありません。

風邪の引き始めにやってしまいがちなNGな対処法

風邪の引き初めにやってしまいがちなNGな対処法

風邪の引き始めの症状が出ると、早めに対処するために市販薬と栄養ドリンクなどを飲む方もいるでしょう。

しかし、市販薬でも飲み合わせを気にせず自己判断で服用するのは望ましくありません。

場合によっては副作用が出てしまう可能性もあります。

栄養ドリンクの中には、薬との飲み合わせが悪い成分が含まれていることもありますので、風邪薬などを服用しているときは注意が必要です。

「風邪を早く治したい」「熱を早く下げたい」という思いから、ついいろんなものを飲みたくなりますが、薬を飲み合わせるときは医師または薬剤師に相談しましょう。

日常でできる風邪対策

風邪でつらい思いをしないためには、まず風邪を予防することが大切です。

風邪を引かないようにするには、普段から免疫力を上げて、感染する機会を減らすように心掛けましょう。

以下で、日常で取り入れられる風邪対策について解説します。

こまめな手洗い・うがい・消毒

手洗いやうがいを丁寧に行うことは大切です。

殺菌作用のあるハンドソープやうがい薬を使うのも効果的です。

鼻の粘膜からのウイルスの侵入を防ぐための鼻うがいも有効です。

感染症はウイルスが付着した部分に触れた手で、目や口、鼻のような粘膜を触ることで感染のリスクが高まると言われています。

ドアノブや電車のつり革など、多くの方が触れるところにはウイルスが付着している可能性が高いです。

こまめに手洗い、うがい、消毒をして感染を防ぎましょう。

規則正しい生活を心掛ける

風邪を引かないためには、普段から規則正しい生活を心掛けて、免疫力を上げておくことも大切です。

免疫力を上げるためには、規則正しい生活と十分な睡眠、バランスの良い食事や適度な運動がポイントになります。

適度な湿度に保つ

室内を加湿するのも風邪対策になります。

なぜなら、空気が乾燥すると空気中にウイルスが蔓延しやすくなるといわれているからです。

また、乾燥した空気は、風邪で炎症を起こした鼻やのどの粘膜を刺激します。

身体を冷やさないために室内の温度管理をすると同時に、湿度管理もしっかり行うようにしてください。

湿度は60％を目安に加湿しましょう。

自宅に加湿器がない場合は、濡れたタオルを部屋に干して乾燥対策をすると良いでしょう。

まとめ

風邪を長引かせないためには、引き始めに適切な対処をすることが大切です。

風邪の引き始めは、のどや鼻の違和感、寒気、発熱、頭痛などの症状があります。

風邪の引き始めの症状が出た場合はまず身体を温かくして、消化の良い食事を摂り、しっかり休むようにしましょう。

スギ薬局では風邪薬はもちろん、風邪を予防するために必要なハンドソープや消毒液も販売しています。

スギ薬局アプリを活用して、お得に風邪対策をしましょう。

【監修者情報】

川上先生

かわかみ整形外科クリニック

院長・医学博士：川上洋平

神戸大学医学部卒業。

米国ピッツバーグ大学に留学し、膝関節外科、再生医療、スポーツ医学を学び、神戸大学病院、新須磨病院勤務を経て、患者さんにやさしく分かりやすい医療を提供することを目的に、かわかみ整形外科クリニック（神戸市）を開業。日本整形外科学会専門医。

https://kawakamiseikei.jp/