季節の変わり目が近づき、もう少しで衣替えの時期がやってきます。

冬服はかさばるため、収納には少し工夫が必要です。また、ニットなどのデリケートな素材の冬服は、お手入れにも注意しなければなりません。

そこで、冬服を上手に収納するコツや、ニットの正しい洗い方・干し方、衣替えで冬服を収納するときの注意点などについて解説します。

かさばる冬服を上手に収納するコツ

まずは、冬服の中でも特にかさばりやすい、コートやダウンジャケット、パーカー、ニットを上手に収納するコツをご紹介します。

コートやダウンジャケット

コートやダウンジャケットなどのアウター類は、専用の圧縮袋に入れてハンガーにかけることで、かさばりを大幅に減らすことができます。

ただし、ダウンジャケットは圧縮することで中綿が傷み、ふんわり感を失ってしまう可能性もあるため、特に高価なものやお気に入りのものは注意が必要です。

フード付きのダウンジャケットであれば、以下の方法でコンパクトにたたむこともできるため、参考にしてみましょう。

ダウンジャケットを表にして、中心に向かって身頃を半分に折り、写真のように腕部分を折り返します。

反対側も同じように行います。

空気を抜きながら、裾からくるくると巻いていきます。

フードの中に入れ込みます。

ダウンジャケットとは分からないくらいコンパクトになりました。

横から見ても、普通にたたんだ場合よりかなりスリムになっています。

ただし、ハンガー収納と比べるとダメージはどうしても増えてしまうため、許容できるダウンジャケットでのみ行いましょう。

パーカー

パーカーはハンガーにかけることでスペースを節約できますが、素材によっては生地が伸びて型崩れしてしまう可能性があるため、たたんで収納するのがおすすめです。

かさばる原因となるフード部分を上手にたたむことで、すっきりと収納できます。

パーカーを裏にして、両腕部分を写真のようにクロスさせます。

身頃の両端を中心に合わせて折ります。

裾が襟のラインに合わさるように、折りたたみます。

フードの上部をつまみ、中央部分を指で押さえながら折り返していきます。

（上の写真はパーカーを180度回転させています）

フードの上部をつまみ、中央部分を指で押さえながら折り返していきます。

折り返す前に、フードの形を整えておくのがポイントです。

折り返したら、フードの形を改めて整えます。

すっきりと平らにたたむことができました。

普通にたたむとフード部分がかさばって分厚くなりがちですが、フード部分を丁寧にたたむことで、しっかり薄くなります。

ニット

ニットはデリケートな素材のため、特に注意が必要なアイテムです。ハンガーにかけて保管すると、重みで伸びてしまうことがあるため、たたんで収納するのが基本です。

以下の方法でたたむことで、かさばりを回避できます。

ニットを表にして、左右の腕部分が重ならないように交差させます。

身頃の両端を中心に合わせて折ります。

裾が襟のラインに合わさるように、折りたたみます。

薄くたたむことができました。

腕部分が重ならないように工夫することで、普通にたたんだ場合と比べて真っすぐ平らにたたむことができます。

ニットの正しい洗い方・干し方

ニットは一度着ただけでは洗濯をしない方もいるかもしれませんが、繊維に残った汗や皮脂などの汚れは、時間が経つと黄ばみやシミ、虫食いの原因になりかねません。

そのため、衣替えでニットを長期保管する前には、必ず「しまい洗い」をしておくことが大切です。

ここでは、ニットの正しい洗い方や干し方、万が一ニットが縮んだ場合の対処法について確認しておきましょう。

洗うときのポイント

ニットを洗う際は、まず洗濯表示を確認しましょう。

消費者庁新しい洗濯表示（平成28年12月から）

出典：消費者庁新しい洗濯表示（平成28年12月から）

たらいマークに「×」表示があるものは、自宅で洗濯することはできません。自宅で洗濯できるものでも、水の温度や洗濯処理の弱さなどに注意が必要です。

手洗いのみ可能なものもあるため、上図を参考に事前に洗い方を確認しておきましょう。

また、ニットを洗う際は「おしゃれ着洗剤」を使用するのが基本です。ニットはどれも色落ちしやすいため、タグの注意書きを確認したうえで、個別に洗う・同系色のものはまとめて洗う、など工夫しましょう。

　【洗濯機でニットを洗う場合】

（1）ニットを裏返してたたみ、洗濯ネットに入れる

カーディガンなどボタンがついているニットはボタンをかけてから洗濯ネットに入れましょう。洗濯ネットは2つ折りにしたニットがちょうど収まるくらいの大きさのものを選び、1つの洗濯ネットに1着のみ入れます。

（2）洗濯機のコースを「やさしい」ものに設定して洗う

洗濯機のコースを「おしゃれ着コース」「手洗いコース」など、ニット洗いに適したものに設定して洗います。ふんわり仕上げたいときは、柔軟剤も使用しましょう。

※洗濯機のコースの名称は洗濯機メーカーによって異なります

（3）終了後はすぐに取り出す

洗濯終了後はすぐに取り出しましょう。たたんでから両手でたたくとシワを伸ばしやすいでしょう。

　【手洗いでニットを洗う場合】

（1）洗剤水を作る

洗濯桶を用意し、30度以下のぬるま湯におしゃれ着洗剤を入れ洗剤水を作ります。

（2）やさしく押し洗いして脱水

洗剤水にニットを浸して、やさしく押し洗いします。水の中でこすったりもんだりすると縮みの原因になるため、注意しましょう。

押し洗い後は洗剤水を捨て、ニットをやさしく押して絞ります。

（3）ニットをすすぐ

洗濯桶にきれいなぬるま湯を入れ、上からやさしく押しながらニットをすすぎます。柔軟剤を使用する場合は、このタイミングで入れましょう。そのまま、すすぎと脱水を数回繰り返します。

（4）最後にしっかり脱水

すすぎと脱水が終わったら、最後にバスタオルで包んで残った水分をやさしく吸い取りましょう。

干すときのポイント

ニットを乾かすときは自然乾燥が基本です。乾燥機は縮みの原因になるため、避けましょう。

型崩れを防ぐためには、平干しがおすすめです。平らな場所にニットを広げ、形を整えてから乾かします。直射日光は避け、風通しの良い日陰に干すとよいでしょう。

平干しができない場合は、袖がたれないように注意して身頃と袖を一緒に竿にかけて干します。

もしもニットが縮んでしまったら…

縮みやすいニットは、大人用のサイズが子供用のサイズくらいまで縮んでしまうこともあります。

ここまで大きく縮んでしまうと直すことは困難ですが、少しの縮みであれば次の2つの方法で直せる可能性があります。

　【シリコン入り洗剤・柔軟剤を使う方法】

シリコンが入っている洗剤または柔軟剤を水に入れて溶かし、ニットを浸します。

しっかりとしみ込ませたらある程度水を切り、湿った状態のまま少しずつ引き伸ばしていきましょう。そして、軽くすすいで手でやさしく脱水を行い、形を整えたうえで平干しします。

　【アイロンのスチーム機能を使う方法】

ニットをアイロン台の上に広げ、アイロンを直接くっつけず浮かしながら縮んだ部分にたっぷりスチームを含ませていきます。

火傷しないように注意しながら、少しずつニットを引き伸ばしていきましょう。希望のサイズ感になるまで、繰り返します。

※素材や縮み具合によっては戻せないケースもあります

衣替えで冬服を収納するときの注意点

衣替えで冬服を長期間収納する際は、次に挙げる4つの点に注意しましょう。

収納場所は清潔に

湿気やホコリが服に付着すると、カビや虫食いの原因になります。そのため、収納場所は衣替え前にきれいに掃除をしておくことが大切です。

ホコリや湿気を取り除き、清潔な状態にしてから冬服を収納しましょう。

クリーニング後のビニールカバーは外す

クリーニングから戻ってきた衣類はビニールカバーがかけられていますが、これをそのままにしておくと湿気がこもりやすくなります。

カバーをかけて収納したい場合は、通気性の良い衣類用のカバーを準備しておきましょう。

防虫・ニオイ対策も忘れずに

冬服を長期間収納する際は、防虫剤も忘れずに使用しましょう。特にカシミヤやウールなどの天然素材は虫食いのリスクが高いため、しっかりと対策を行うことが重要です。

なお、防虫剤には「引き出し・衣装ケース用」や「クローゼット用」「ウォークインクローゼット用」など、さまざまなタイプがありますが、それぞれで使われている薬剤の種類や量が異なります。

用途に合わせて成分が調整されているため、収納場所に合ったタイプのものを選ぶことが大切です。

ムシューダ　１年間有効　引き出し・衣装ケース用（24個入）

ムシューダ　１年間有効　引き出し・衣装ケース用（24個入）

ムシューダの「引き出し・衣装ケース用」では、防虫成分エンペントリン（ピレスロイド系）が使用されています。

【標準使用量】
引き出し・衣装ケース
50L･･･2個
75L･･･3個

ムシューダ　１年間有効　クローゼット用（3個入）

ムシューダ　１年間有効　クローゼット用（3個入）

ムシューダの「クローゼット用」では、引き出し・衣装ケース用と同様にピレステロイド系の防虫成分が使用されていますが、用途が変わることからプロフルトリンが採用されています。

【標準使用量】
クローゼット
2,400L･･･3個
1,600L･･･2個
800L･･･1個

また、ニオイが気になる場合は、香り付きの防虫剤を使用するとよいでしょう。

例えば、ムシューダには「やわらかフローラルの香り」もあり、みずみずしいフローラルに心やすらぐウッディーをミックスしたエレガントで清潔感のある香りが、クローゼットや引き出し・衣装ケースの中を包み込んでくれます。

ムシューダ　１年間有効　引き出し・衣装ケース用　やわらかフローラルの香り（24個入）

ムシューダ　１年間有効　引き出し・衣装ケース用　やわらかフローラルの香り（24個入）

ムシューダ　１年間有効　クローゼット用　やわらかフローラルの香り（3個入）

ムシューダ　１年間有効　クローゼット用　やわらかフローラルの香り（3個入）

収納ケースに詰め込みすぎない

収納ケースには、衣服を詰め込みすぎないようにしましょう。適度なスペースを残すことで型崩れを防ぐことができ、風通しを保ってカビのリスクも減らせます。

収納ケースの8割程度にとどめる「8割収納」を意識する。

目安として、収納ケースの8割程度にとどめる「8割収納」を意識するとよいでしょう。

衣替えは少し手間がかかる作業ですが、上手に収納することで次のシーズンも快適に過ごすことができます。

今回ご紹介した収納術とニットのお手入れ方法を参考にして、新しい季節をすっきりと迎え入れる準備を始めましょう。

スギ薬局グループ