「近ごろ目が疲れやすくなった」「目を酷使しているから将来が心配」など、目の疲れに関する悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。

目が疲れる原因はいくつもあり、それぞれに適した対策をとることが大切です。

目が疲れる原因を知り、対策をしっかり理解しておきましょう。

この記事では、目が疲れる原因や、目の疲れを早めに取りたいときの対処法などをわかりやすく解説します。

今日からすぐにはじめられる対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

「目の疲れ」と「眼精疲労」の違い

目の疲れ（疲れ目）に関して調べると、「眼精疲労」という言葉を目にした方もいるかもしれません。

目の疲れと眼精疲労は似た意味で語られることもありますが、厳密にはちがう言葉です。

目の疲れはあくまで一時的なものであり、休息をとることで解消されます。

一方、眼精疲労は継続的に症状が現れ、休息をとった後も目の痛みや頭痛などが残る状態です。

眼精疲労になると、目の疲れや痛みだけではなく、肩こりやめまいなど全身に影響を及ぼすことがあります。

目の疲れや眼精疲労の原因を自分で特定するのは難しいケースも多いため、気になる症状があるなら医療機関を受診しましょう。

例えば、目に関する悩みが主であれば眼科、自律神経の乱れから症状が現れているなら心療内科が該当します。

もしどの診療科を受診すべきかわからない場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

目が疲れる4つの原因

目の疲れはひどくなると頭痛や吐き気を引き起こすこともあり、仕事にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

そこで大切なのが、目が疲れる原因を知ることです。

原因にあった目の疲れの予防に役立ちます。

目が疲れる原因はさまざまありますが、ここでは主な原因を4つ紹介します。

普段の生活を思い返して、当てはまるものがないかチェックしましょう。

スマホやパソコンの長時間使用

スマホやパソコンを長時間にわたって使用することは、目を疲れさせる行為のひとつです。

画面を近くで見続けることによって目の筋肉が収縮するため、目が疲れやすくなります。

画面に集中しているとまばたきをする回数が減り、目が乾燥するのも目が疲れる原因です。

スマホやパソコンの使用時間が長くなるほど影響が大きくなる傾向にあり、ひどくなるとめまいや吐き気、精神面の不調が現れることもあります。

この状態を「VDT（ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル）症候群」といいます。

また、スマホやパソコンの画面から発せられているブルーライトが、目の疲れの原因になることもあります。

青色の光であるブルーライトは目の奥まで届く光であり、長時間浴びると目の負担になる可能性があります。

このほか、長時間にわたるスマホの使用によって引き起こされる「スマホ老眼」にも注意が必要です。

スマホ老眼とは、スマホなどデバイスの画面を長時間見続けることで目のピント調節がしづらくなり、ものが見えにくくなったり視界がぼやけたりする症状です。

メガネやコンタクトレンズ

自分の視力とメガネ・コンタクトレンズの度があっていない場合も、目の疲れの原因となります。

その理由は、目が無理にピントをあわせようとし、水晶体を動かす毛様体筋に負担がかかるためです。

さらに、遠視・近視・乱視・老眼といった症状にメガネ・コンタクトレンズがあっていないことも、目に負担がかかる原因となります。

ストレスを原因とした自律神経の乱れ

精神的なストレスによる自律神経の乱れも、目が疲れる原因となります。

自律神経とは、人の体温や呼吸、血圧など数多くの機能をコントロールする役割をもつ神経です。

自律神経には心身を活発にする「交感神経」と、心身を休ませる「副交感神経」があり、その両方がスムーズに切り替わることで心身の活動が正常に保たれています。

しかし、ストレスを受けると交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかなくなり、どちらか一方が強く作用して自律神経が乱れた状態となります。

すると目の疲れをはじめとして、心身にさまざまな不調をもたらすことに繋がるのです。

ドライアイをはじめとした目の病気

慢性的に目の疲れを感じているのであれば、ドライアイ・白内障・緑内障といった目の病気も疑われます。

ドライアイとは、涙の量が不足したり変質したりして、涙が眼球の表面全体に行き渡らなくなった状態です。

眼球が乾燥するとピントがあいにくくなり、ピントの調整機能を酷使することに繋がります。

白内障は水晶体が白く濁る病気で、症状が進むと視力が低下したり、光を眩しく感じたりします。

緑内障は、視神経に障害が起こり、症状が進むにつれて徐々に見えない部分が広がっていく病気です。

特に緑内障は失明の原因となる場合もあるため、少しでも異変を感じた場合には早めに眼科を受診して、適切な治療を受けるようにしてください。

目の疲れを早めに取りたいときの対処法

目の疲れはつらく感じるため、できるだけ早く解消したいと思う方は多いでしょう。

ここでは、目の疲れを感じたときにすぐにできる対処法を紹介します。

目の疲れ専用の目薬を使う

目薬のなかには、目の疲れの軽減が期待できる成分が含まれた商品があります。

目の疲れを感じたときは、このような目薬を使用するのも対処法のひとつです。

ただし、目が疲れているからといって、必要以上に目薬を使っても目の疲れは取れません。

目薬を使うときは、用法・容量をきちんと守ることが大切です。

目の症状によって適した目薬は異なるため、迷った際はドラッグストアにいる薬剤師や登録販売者に相談しましょう。

なお、コンタクトを装着した状態では使用できない目薬もある点には注意が必要です。

コンタクトを使用している場合は、その旨も忘れずに伝えましょう。

目の疲れに効果的なツボを押す

目の疲れには、ツボ押しも効果が期待できます。

仕事中や勉強中に目が疲れたと感じたら、以下のツボを試してみてください。

目の疲れに効果的なツボを押す

指で押してみて、少し痛みを感じる部分がツボです。

強く押しすぎず、心地よさを感じる程度の力加減で押したり揉んだりすると、疲れが和らぐ可能性があります。

ホットアイマスクやホットタオルを試す

ホットアイマスクで目の周りを温めると、血流が促され、緊張が解きほぐされて疲労が和らぐ場合があります。

市販のホットアイマスクは、使い捨てのもの、繰り返し使えるもの、香りつきのものなど、さまざまな商品が販売されているため、好みのタイプのホットアイマスクを購入しましょう。

もし市販のホットアイマスクを用意できない場合は、ホットタオルで代用できます。

ホットアイマスクのつくり方は、濡らして絞ったタオルを電子レンジで少し加熱するだけと簡単です。

加熱したタオルを少し冷ましてから顔に乗せやすい大きさに折り畳み、目の上に乗せて、数分間そのままの状態でリラックスしましょう。

なお、タオルは短時間の加熱でも熱くなるため、くれぐれもやけどに注意してください。

目の疲れを予防する方法

医師への相談に加えて、目の疲れを予防するために日頃から取り組める行動があります。

ここでは、目の疲れを防ぐ5つの方法を紹介するので、ぜひ日常生活に取り入れてください。

ただし、どの対策も無理に行うのではなく、必要に応じて医師に相談した上、的確なアドバイスをもらいながら取り組みましょう。

休憩時間を設ける

目の疲れを感じたら、あるいは疲れを感じる前に、目を休ませる習慣をつけましょう。

目の使いすぎは疲れの原因となるため、疲れを溜めないようにすることが大切です。

パソコン作業をはじめとした目に負担がかかる状況では、1時間ごとに10〜15分ほどの休憩が理想とされています。

また、目を休ませるとともに、目の体操にも取り組みましょう。

近くばかりを見ていると目のピント調整機能が低下しますが、目の体操を行うことで目の緊張を解きほぐす効果が期待できます。

目の体操の具体的な手順は、以下のとおりです。

遠くを見る
眼球を上下左右に動かす
眼球を左回り・右回りに大きく回す
目をつぶってリラックスする

今後は目が疲れてピント調整機能が低下する前に、目の体操を行うよう心掛けると良いでしょう。

作業環境を見直す

目の疲れを予防するには、パソコン使用時の作業姿勢や目からモニターまでの距離も重要なポイントです。

身体に負担がかからないよう、椅子に深く腰掛けてあごをひき、胸を張った姿勢をとりましょう。

加えて、視線がやや下向きになるよう、椅子・デスク・モニターの位置を調整してください。

目からモニターまでの距離は、40〜70cm程度になるようにセッティングすると良いでしょう。

部屋の明るさにあわせてモニターの輝度を調整するのも、目の疲れ対策として有効です。

メガネやコンタクトレンズの度数を見直す

メガネやコンタクトレンズの度数があっていないと感じる方は、早めに度数の見直しを行いましょう。

遠くが良く見えるメガネやコンタクトレンズは、パソコン作業などで近くを見るのには適していないことがあります。

自分にあった度数に変えるだけで目の疲れを軽減できることがあるので、放置しないように心掛けてください。

度数を見直すときは、どのような環境で使用するのかをきちんと伝えることも大切です。

生活習慣を見直す

目の疲れは生活習慣の影響から生じることもあるため、目に疲れを溜めない行動を普段から意識して、規則正しい生活を送りましょう。

食事をきちんと3食摂って定期的に運動し、自分なりのストレス解消法を見つけることが理想的です。

食事に関しては、3食きちんと摂るのに加えて、目に良いとされる栄養素を摂取するのもおすすめです。

以下の表を参考にして、栄養素のバランスに気をつけながら摂取しましょう。

生活習慣を見直す

また、睡眠不足や過労、ストレスは目の疲れの要因となります。

日頃から十分に睡眠をとり、ストレスの解消に努めましょう。

目の疲れだけでなく身体全体の疲れを解消するためにも、6〜8時間程度の睡眠時間を目安とし、睡眠の質を高めることも重要です。

自律神経の乱れによって目が疲れている場合は、規則正しい生活をすることで自律神経が整いやすくなります。

毎朝同じ時間に起きて太陽の光を浴び、夜は就寝前にリラックスできる環境を整えましょう。

目の乾燥を防ぐ

目の表面が乾燥すると涙が眼球の表面に広がらなくなり、目の疲れや不快感を引き起こしやすくなります。

パソコンやスマホに集中しているときはまばたきが減って目が乾燥しやすいので、意識してまばたきをしましょう。

また、エアコンや扇風機の風が直接目に当たると、目が乾燥しやすくなります。

風が直接当たらないように、風の向きや座る位置を調整しましょう。

なお、空気が乾燥していると目が乾きやすくなるため、必要に応じて加湿器を使うのもおすすめです。

まとめ

最初は少しの違和感からはじまる目の疲れですが、やがて頭痛や吐き気を引き起こすこともあるため、放置するのは望ましくありません。

疲れを感じたら、あるいは疲れを感じる前に、適切な対策を行いましょう。

目の疲れは、パソコン操作をはじめとした日中の行動やストレスのほか、病気が原因である可能性もあります。

症状が気になるようであれば速やかに医療機関を受診して、適切な治療を行ってください。

また、医療機関での受診に加えて、自分でできる対策に取り組むのも有効です。

目薬やホットアイマスクといった目の疲れへの対策グッズは、スギ薬局で幅広い商品を取り揃えています。

目の疲れが気になるときは、ぜひスギ薬局をご活用ください。