背中ニキビは、美容に気をつかっている人にありがちな悩みのひとつです。

「鏡にうつる自分の背中が、なんだか気になる」「背中が荒れていて、露出の多い服や水着が着られない」など、自分の後ろ姿に自信が持てなくなった経験があるかもしれません。

背中ニキビをケアしてキレイな背中を取り戻したいところですが、じつは背中ニキビができる原因は顔のニキビとは異なる場合もあります。

背中ニキビをケアするには、正しい原因を知って適切なケアを行うことが大事です。

この記事では背中ニキビができる原因と、自分でできるケア方法を解説します。背中ニキビに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

背中にニキビができるメカニズム

背中にできるニキビは、大きく2つの種類に分けられます。ひとつは「アクネ菌」が原因のもの、もうひとつは「黄色ブドウ球菌」や「マラセチア菌」が原因のものです。

適切なケアを行うために、それぞれが発生するメカニズムや特徴を知っておきましょう。

アクネ菌が原因の場合

アクネ菌によってニキビが発生するときは、なんらかの要因によって毛穴がふさがることから始まります。

皮脂腺から排出された皮脂や汚れが毛穴に溜まり、それとともに毛穴の内部でアクネ菌が増殖してニキビになります。

ニキビの初期段階は、ほんの小さな白ニキビです。

そこから進行を食い止められなければ、白ニキビ→黒ニキビ→赤ニキビ→黄ニキビと悪化していきます。

黄ニキビまで進行すると、ニキビ跡として残る可能性が高くなるため、悪化させないように気を配りつつ、できるだけ早めにケアしなければなりません。

アクネ菌によるニキビは主に顔にあらわれますが、背中に発生することもあります。

黄色ブドウ球菌やマラセチア菌が原因の場合

胸や背中など、顔以外の場所に吹き出物がたくさんできる場合、黄色ブドウ球菌やマラセチア菌による毛包炎の可能性が高くなります。

黄色ブドウ球菌は皮膚や髪の毛などに常在し、ときに食中毒の原因にもなる菌であり、マラセチア菌は健康な人の肌にも常に存在するカビの一種です。

黄色ブドウ球菌により毛包炎が発生するときは、肌にできた切り傷やかき傷などから細菌が侵入して、炎症を生じさせます。

赤みを帯びた発疹（丘疹）や、中央に膿のある発疹（膿疱）があらわれるところが特徴です。

マラセチア菌による毛包炎は「マラセチア毛包炎」といい、皮脂が多い状態や高温多湿の状態で発生しやすくなります。

毛穴のなかでマラセチア菌が増殖して炎症を起こし、赤くて小さな吹き出物ができます。

背中ニキビを引き起こす要因

背中ニキビを発生させる要因の一例として、以下のものがあります。

皮脂の過剰分泌
過度な精神的ストレス
睡眠不足や不規則な生活習慣
角質が厚くなることによる毛穴のふさがり
シャンプーやリンスの洗い残し

「皮脂の過剰分泌」は毛穴から皮脂を排出しきれず、毛穴に皮脂が溜まる現象です。

皮脂が過剰分泌される原因として、ホルモンの影響、ストレス、睡眠不足、不規則な生活などが挙げられます。

過剰なストレスによる自律神経の乱れも、要因のひとつです。

自律神経の乱れは皮膚の免疫力を弱めるため、背中ニキビが発生しやすくなります。

また、睡眠不足や生活リズムの乱れも背中ニキビの要因になります。

生活が乱れると、皮膚の正常な修復や、肌のターンオーバーが阻害されます。健やかな肌を保つためには、規則正しい生活と十分な睡眠が必要です。

「毛穴のふさがり」は、角質が厚くなって毛穴がふさがることで、皮脂を正常に排出できなくなるために生じます。

角質が厚くなる理由に挙げられるのは、紫外線の影響や肌の乾燥、衣類との摩擦や男性ホルモンの働きなどです。

最後に、背中にシャンプーやリンスが残っていると、毛穴の詰まりを引き起こして背中ニキビができやすくなります。

背中を洗う際に強い刺激を与えることも、背中ニキビの発生や悪化の一因です。

なお、ここで紹介した以外のことが原因であるケースもあります。

背中ニキビへの対処法

背中ニキビができたら、症状が悪化する前に対処するのが理想的です。症状の度合いも考慮しつつ、以下の対処法を実践しましょう。

ドラッグストアの市販薬でセルフケアを行う

症状が軽い場合、または皮膚科に行く前の応急処置として、まずは市販薬で対処することも選択肢のひとつです。アクネ菌が原因の背中ニキビであれば、ドラッグストアにある市販薬でケアできます。

原因がマラセチア菌の場合も、通常のニキビ用塗り薬と比べて数は少ないものの、ドラッグストアで手に入る商品があります。

ただし、市販薬に配合されている成分はさまざまであり、症状によって適する商品は異なるため、素人では選び方が難しいと感じるかもしれません。

どれを選ぶべきかと迷ったら、ドラッグストアにいる薬剤師に相談した上で購入することをおすすめします。

症状がひどいなら皮膚科を受診する

背中ニキビの症状がひどい場合や、なかなか良くならない場合は、医療機関の受診を検討しましょう。場合によっては、糖尿病をはじめとした内科系の疾患が原因の可能性もあります。

心配であれば、まずは皮膚科を訪れて医師にご相談ください。症状によって、塗り薬や飲み薬を用いた治療が行われます。

背中ニキビを予防する3つの方法

背中ニキビができた後のケアも大切ですが、日頃からの予防も重要です。症状がなくなっても、菌は常に肌に存在しています。

以下に挙げる予防法を実践し、新たな背中ニキビを作らないように心掛けましょう。

食事を見直して規則正しい生活を送る

背中ニキビは、生活習慣の影響により発生することもあります。

普段から余計なストレスを溜めず、よく眠り、規則正しい生活を心掛けることが大切です。

日々の暮らしのなかに適度な運動を取り入れ、血行や肌の正常なターンオーバーを促す機会を設けましょう。

また、アクネ菌による背中ニキビ、マラセチア菌によるマラセチア毛包炎ともに、皮脂の過剰分泌が症状の悪化を招くため、食事の摂り方にも気を配ってください。

脂っこい食品や甘い食品など、皮脂の増加に繋がる食事は控えましょう。

それとともに、ニキビの予防・改善に効果的なビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンCを積極的に取り入れるのもおすすめです。

なお、ビタミンB2、B6が豊富な食品は、レバー・納豆・アボカド・卵・マグロなどです。

ビタミンCが豊富な食品には、ブロッコリー・イチゴ・キウイフルーツ・柑橘類などがあります。

身体はやさしく洗ってしっかり保湿する

入浴の際は、シャンプーやリンスの洗い残しがないように気をつけましょう。

髪を背中側におろした状態で洗うと、どうしても背中にシャンプーやリンスがついてしまいます。

長い髪は肩より前におろした状態で洗いとすすぎを行うこと、そして身体の高い場所から順番に洗うことで、洗い残しの防止に繋がります。

背中の皮膚に刺激を与えないように洗うことも重要です。

スポンジやブラシで背中を強く擦ると、背中ニキビの発生や、症状の悪化を引き起こします。

背中を清潔に保つためには、それほど強く擦る必要はありません。優しい力で洗う習慣を身につけましょう。

バスタオルで身体を拭くときも、優しく当てて水分を拭き取ることが大切です。

最後に化粧水やクリームでしっかり保湿することで、背中ニキビの原因となる肌の乾燥を防げます。

衣類や寝具はこまめに洗い清潔さを保つ

雑菌は背中ニキビが悪化する原因となるため、枕カバーやシーツなど、直接肌に触れる寝具はこまめに洗いましょう。肝心なのは、ベッド周りを常にキレイな状態にしておくことです。

マラセチア菌は皮脂と高温多湿を好むため、そのような環境を作らないことも大切です。

寝具は吸湿性が高く、肌触りの良い綿素材のものをおすすめします。

加えて、通気性が良くて蒸れにくい服や、汗をよく吸収できる服を選ぶのも有効です。

汗をたくさんかいたら、早めに清潔な服に着替えることも予防になります。

衣類も寝具も、こまめに洗って清潔な状態を保ちましょう。

まとめ

背中ニキビはアクネ菌が原因のものと、黄色ブドウ球菌やマラセチア菌が原因のものがあります。

症状の悪化を招かないためにも、原因を把握した上で対処に努めましょう。

もしも症状がひどい場合は、皮膚科の受診をご検討ください。

症状が軽い場合、もしくは皮膚科を受診する前の応急処置として、市販薬を購入してセルフケアを行う方法もあります。

背中ニキビの治療薬を購入する際は、お近くのスギ薬局を訪れてはいかがでしょうか。

もしスギ薬局での購入を考えているなら、店舗へ向かう前に「スギ薬局アプリ」をダウンロードしましょう。

スギ薬局アプリではセール情報やクーポンが入手でき、通常よりもお得に買い物ができます。

スギ薬局で背中ニキビのケア用品を手に入れ、今日からお手入れを始めましょう。

【監修者情報】

コッツフォード良枝

銀座禅クリニック院長

美容外科・皮膚科医師/日本抗加齢医学会専門医

山梨大学医学部卒業。国際医療センター国府台病院を経て、日本医科大学麻酔科学講座に入局。