牡蠣は「海のミルク」と呼ばれるほど豊富な栄養と、海の恵みを凝縮したような味わいが魅力の食材です。生で食べたり焼いて食べたり、さまざまな調理方法で楽しむことができます。

しかし、牡蠣を食べる際には注意すべきポイントがあります。事前に知った上で正しく、おいしく牡蠣を食べましょう。

この記事では、牡蠣に含まれる栄養の種類とそれぞれの働きに加え、栄養を効果的に摂取する方法や食べすぎによるリスクを解説します。牡蠣を楽しむ前にぜひご一読ください。

牡蠣に含まれる豊富な栄養素

牡蠣は、豊富な栄養素がバランスよく含まれた魅力的な食材です。牡蠣に含まれる代表的な栄養素には以下の5つがあります。

亜鉛
鉄
タウリン
グリコーゲン
ビタミンB12

それぞれの栄養素について詳しく解説します。

亜鉛

牡蠣は亜鉛の含有量が多く、食材随一ともいわれています。亜鉛は必須ミネラルのひとつですが、体内では生成できないため、食材などから摂取する必要があります。

亜鉛は新陳代謝やたんぱく質の合成に欠かせない栄養素であり、傷ついた細胞や筋肉を修復する役割のほか、健やかな肌や髪を維持する役割もあります。

鉄

牡蠣に含まれる鉄は、体内に吸収されやすいヘム鉄であるため、効率良く鉄を摂取できます。

鉄は、血液中の酸素を運ぶ役割があるヘモグロビンに多く存在しています。鉄が不足するとヘモグロビンが減少して体内が酸素不足となり、貧血や頭痛などの症状に繋がりやすくなります。

タウリン

牡蠣には、アミノ酸の一種であるタウリンが多く含まれています。タウリンは体内で作り出せる量だけでは不足しやすいため、食材などから摂取する必要があります。

タウリンはコレステロールを減らす、肝臓の機能を高める、高血圧を予防するなどの効果が期待できるとされています。

グリコーゲン

牡蠣に含まれる糖質のうち、半数を占めるのがグリコーゲンです。

食事で摂取した糖質は、グリコーゲンとして肝臓や骨格筋、筋肉などに蓄えられます。蓄えられたグリコーゲンは運動するときのエネルギー源になるほか、空腹時に血糖値を維持するためのエネルギー源にもなります。

ビタミンB12

牡蠣は、「赤いビタミン」とも呼ばれるビタミンB12も豊富に含んでいます。ビタミンB12は血液を作る役割があるほか、アミノ酸やたんぱく質の代謝をサポートする役割もあります。

ビタミンB12が不足すると、血液のもとである赤血球が作れなくなり、貧血やめまいなどの症状に繋がりやすくなるとされています。

牡蠣の栄養を逃さず上手に食べるコツ

ここからは、牡蠣の栄養を効果的に摂取するコツを解説します。

牡蠣の栄養を効果的に吸収できる調理方法で食べる

牡蠣に含まれる栄養素のなかには、加熱により分解されるものがあります。

牡蠣を茹でたり煮たりすると、水溶性であるタウリンやビタミンB12が流れ出てしまうため、栄養価を重視するなら、やはり生で食べるのが一番でしょう。

加熱するときは、汁ごと食べられるスープや鍋物、またはフライにすると牡蠣の栄養を効果的に摂取できます。

真牡蠣・岩牡蠣など種類ごとに旬の時期に食べる

牡蠣は世界中で100種類以上が確認されていますが、日本で一般的に流通しているものは数種類です。なかでも「真牡蠣（マガキ）」と「岩牡蠣（イワガキ）」の2種類がよく食べられています。

真牡蠣は食用の牡蠣として、日本でもっともポピュラーな種類です。10月〜翌年4月の寒い時期に収穫され、濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。一方、岩牡蠣は春から夏に旬を迎えます。大きくて頑丈な殻をもっており、ジューシーな味わいで食べ応えがあります。

牡蠣の旬の時期は産卵期であり、産卵のために栄養を蓄えます。そのため旬の時期に食べることで、効率良く栄養が摂取できます。

牡蠣とほかの食材を組み合わせて効率的に食べる

牡蠣はほかの食材と組み合わせると、幅広い味わい方が楽しめる上に、効率良く栄養が摂取できます。

例えばレモン・すだち・ほうれん草など、ビタミンCを多く含む食材と牡蠣の組み合わせは、鉄や亜鉛の吸収率がアップします。

また、にんにくやニラなど、アリシンが含まれる食材と牡蠣を一緒に食べると、ビタミンB1の吸収が高められます。

牡蠣を食べるときに注意すべきポイント

牡蠣を食べると、ノロウイルス感染症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。ノロウイルス感染症になると、食後1～2日でおう吐・激しい下痢・腹痛といった症状が発生します。

ノロウイルス感染症を予防するため、牡蠣を食べるときは以下のポイントに気をつけましょう。

「生食用」以外は生で食べない
体調が悪いときは生で食べない
生牡蠣を調理した手や道具はすぐに洗う

市販の牡蠣には、生食用と加熱用があります。水質検査により海域の雑菌数が定められた値以下のものは生食用、それ以外のものを加熱用としています。加熱用は食べる前に菌を殺す必要があるため、必ず熱を加えなくてはなりません。

農林水産省では、加熱用の牡蠣を食べる際は中心部を1分間85℃以上に加熱（※）するよう注意喚起しています。

（※）出典：農林水産省「ノロウイルス（ウイルス）[Norovirus]」

健康的な生活には栄養バランスが大事

牡蠣は低カロリーかつ栄養豊富な食材のため、たくさん食べたくなりますが、牡蠣に限らず、どの食材も食べすぎは禁物です。各栄養素をバランスよく摂取するよう心掛けましょう。

健康を維持するには、普段から生活習慣に気を配ることも大事です。毎日十分な睡眠をとり、できるだけストレスを溜めず、生活のなかに適度な運動を取り入れましょう。

なお、スギ薬局には管理栄養士が在籍している店舗もあり、食事や栄養に関する相談を受け付けています。

食生活に関する情報や商品選びなどのサポートも行っているため、スギ薬局にお出かけの際は管理栄養士にぜひお気軽におたずねください。

まとめ

牡蠣は栄養が豊富な食材で、生のままはもちろん、蒸したり揚げたりとさまざまな調理方法でおいしく食べられます。食べ過ぎに注意しつつ、栄養バランスにも配慮して旬の牡蠣を楽しみましょう。

スギ薬局では牡蠣料理に使える食品や各種調味料、健康的な生活をサポートする商品も数多く取り揃えているので、ぜひご活用ください。