
【漢方専門店監修】漢方薬は副作用が少ない? 安心して服用するためのポイント
漢方薬は、植物や動物、鉱物などを加工した生薬を組み合わせて作られます。自然由来のため、安全で副作用の心配がないと考える人もいるかもしれませんが、漢方薬も医薬品であるため、体質や服用量によっては副作用が生じる可能性があります。
今回は、漢方専門店「薬日本堂」が、注意が必要な生薬とそのリスク、副作用を避けるためのポイントを解説します。
代表的な生薬と症状
漢方薬は、複数の生薬が互いの効果を高め合ったり、働きを補助することで効果を発揮します。
そのため、以下に挙げる生薬が含まれるからといって必ず副作用が起きたり、反対にこれらの生薬が含まれていないから副作用が起きないということではありません。ただ、初めて飲むときや他に服用している薬やサプリメントがある場合は注意が必要です。
甘草
マメ科カンゾウ、または同属植物の根。生薬の刺激を和らげるので、多くの漢方薬に配合されています。長期間または多量に服用することによって、むくみや血圧上昇、手足のしびれや脱力といった症状があらわれる可能性があるため心臓病や高血圧などの持病がある方は注意しましょう。(※)
<甘草が含まれる漢方薬>
麦門冬湯、芍薬甘草湯、葛根湯など
麻黄
マオウ科の地上茎。交感神経を刺激する作用があり、多用すると動悸や不眠、多汗、食欲不振といった症状があらわれることがあります。血圧を上昇させることがあるため、心臓が弱い方や高血圧などの持病がある方は注意しましょう。(※)
<麻黄が含まれる漢方薬>
葛根湯、麻黄湯、小青竜湯など
大黄
タデ科ダイオウの根茎。下剤として使われる漢方薬に配合されることが多い生薬です。たまったものを下していく働きがあるため、妊娠中や授乳中の女性、普段からお腹を下しやすい方は服用に注意が必要です。(※)
<大黄が含まれる漢方薬>
防風通聖散、桃核承気湯、大黄甘草湯など
副作用を避けるための注意点
漢方薬は穏やかに作用するものが多く、服用方法に気を付けていれば、副作用はほとんどの場合避けることができます。特に注意しておきたいポイントをご紹介します。
複数の漢方薬を服用する場合
例として、「甘草」はさまざまな漢方薬に含まれているので重複しやすい生薬です。特定の生薬が重複すると思わぬ不調があらわれる可能性があるため注意しましょう。(※)
医薬品やサプリメントとの併用
漢方薬だけでなく、医薬品やサプリメントの併用も副作用の原因となることがあります。例えば、生薬の「麻黄」に含まれるエフェドリンは市販の咳止め薬にも配合されており、過剰摂取により発汗、動悸、血圧上昇などを引き起こす可能性があります。(※)
他の人の漢方薬の服用
漢方薬の効果は個人の体質や症状によって異なります。症状が同じでも、他の人の漢方薬をもらったり、自分の薬を譲渡することは避けてください。
※漢方薬は、持病のある方や妊娠中・授乳中の方、また複数の漢方薬や他の医薬品・サプリメントとの併用によって、副作用があらわれることがあります。購入する際は、医師や薬剤師、登録販売者などに相談のうえ、自分に合ったものを選ぶようにしてください。
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