寒い日はもちろん、夏にはエアコンを使用する方も多く、身体の冷えは一年中つきまとうものです。

厚着をして身体を外側から温めるだけではなく、食べ物に気を配って身体を内側から温めることも大切です。

そのためには、単に温かい食べ物を食べれば良いのではありません。

食材によって身体を温めるものと冷やすものがあり、食材選びを間違えると逆に身体を冷やしてしまう可能性もあります。

この記事では冷え対策ができるように、身体を温める食べ物の見分け方や、具体的な食材名を紹介します。

身体を冷やす食べ物も紹介するので、毎日の食事にぜひお役立てください。

東洋医学における身体を温める食べ物とは

東洋医学では、身体の冷えは「冷え症」として病気のひとつと考えられています。

身体の冷えはさまざまな病気に繋がる可能性があるとされているため、放置せず対策に取り組むことが大切です。

東洋医学では、すべてのものは「陰」と「陽」に分けられるという考え方があり、両者のバランスが取れている状態が理想とされています。

陰陽のバランスが崩れると、身体の冷えをはじめとした不調があらわれると考えられているようです

食材も、身体を温める食べ物が陽性、身体を冷やす食べ物が陰性と分けられており、冷え対策を身体の内側から行うには、陽性の食べ物を摂取すると良いといわれています。

なお、すべての食べ物が陰陽に分類されるのではなく、なかには陰陽どちらにも属さない中庸もあります。

身体を温める食べ物と冷やす食べ物を紹介

東洋医学における陽性の食べ物を上手に取り入れられるよう、身体を温める陽性の食べ物の見分け方と、具体的な食材を紹介します。

加えて、身体を冷やす陰性の食べ物も紹介するので、食事のときの参考にしてください。

ただし、食べ物の陽性・陰性の考え方には諸説あり、ここで紹介する見分け方が必ずしも当てはまるわけではありません。

代表的な例として参考にしながら、冷え対策に役立ててください。

野菜

野菜の陽性と陰性を見分けるポイントには、旬・採れる場所・色・水分量があります。

陽性の野菜は、「寒い季節が旬」「土の中で育つ」「暖色系や濃い色（赤・オレンジ・黄色など）」「水分量が少ない」という4点が特徴です。

具体的には、かぼちゃ・人参・ごぼう・じゃがいも・れんこん・生姜・ニンニクなどが挙げられます。

一方、陰性の野菜は、「暑い季節が旬」「地面より上に育つ」「白っぽい、または寒色系（緑・青など）」「水分量が多い」という特徴があります。

陰性に該当するのは、キャベツ・レタス・きゅうり・ナス・ピーマン・大根・ほうれん草などです。

ただし、上記の分類に当てはまらない野菜もあります。

トマトは赤い色をしていますが南国で採れるため陰性、白菜は冬が旬ですが緑色の野菜なので陰性と区分されるケースが多く見られます。

果物

果物の陽性と陰性を見分けるときは、産地で判断するとわかりやすいです。

主に青森で採れるりんごや山形で採れるさくらんぼなど、寒い地域で採れる果物は陽性が多い傾向にあります。

桃・ぶどう・プルーンも陽性の果物です。

一方、暑い地域で採れる果物は陰性が多く、南国で採れるバナナやパイナップルは陰性の果物とされています。

みかん・メロン・スイカ・梨・レモン・マンゴーも陰性の果物です。

ただし、オレンジは温暖な地域で採れますが、血行を促進する効果が期待できるため陽性の食べ物であるとされています。

肉・魚介類

肉や魚介類、またこれらを加工した食品も陽性・陰性に分けられます。

一般的に、肉や魚介類は陽性に分類されることが多いようです。

例えば、牛肉・鶏肉・羊肉・海老・イワシ・マグロ・アジは陽性とされています。

ハムやソーセージなどの加工品、卵も陽性に区分される食べ物です。

ただし、豚肉は陰陽どちらにも分類されない中庸と考えられています。

糖類・調味料

糖類や調味料のうち、黒砂糖・黒酢・シナモン・わさびは陽性、塩・白砂糖・コショウ・唐辛子・化学調味料は陰性に分類されます。

刺激のあるコショウや唐辛子は、食べると汗をかくため陽性に思えるかもしれませんが、汗をかいた後は身体が冷えることから陰性とされているようです。

また、砂糖は精製の有無や原材料の違いによって陽性と陰性に分類されます。

黒砂糖と白砂糖は同じサトウキビからできていますが、未精製の黒砂糖は陽性、精製されている白砂糖は陰性となります。

発酵食品

酵素が多く含まれている発酵食品は、代謝を促進して身体を温める効果が期待できる食べ物です。

陽性の発酵食品には、たくあん・味噌・醤油などがあります。

なお、酵素は熱さに弱い性質があるため、できるだけ熱を加えないで摂取できるように調理方法を工夫しましょう。

飲み物

飲み物は、発酵させているものが陽性に分類されます。

紅茶・ウーロン茶・プーアル茶のように茶色い茶葉のものは発酵していると覚えておきましょう。

お酒では、赤ワインや日本酒が身体を温めてくれますが、飲み過ぎないように注意しなくてはなりません。

一方、身体を冷やす陰性の飲み物は、発酵していない緑茶や南国で栽培されるコーヒーです。

お酒では、ビールやウイスキーが身体を冷やすといわれています。

食べ物以外で身体を温める方法

身体を温めるには、陽性の食べ物を摂取する以外にもさまざまな方法があります。

日中すぐにできる寒さ対策として、マフラー・腹巻き・靴下・レッグウォーマーといった防寒アイテムの着用がおすすめです。

皮膚が薄い首元や足首を温めると、効率的に身体全体を温めやすくなります。

防寒アイテムを着用しても寒い場合は、暖房器具・湯たんぽ・カイロ・電気毛布を活用しましょう。

また、全身を効率良く温めるには、ゆっくり湯船に浸かるのも有効です。

入浴剤を入れると、血行促進効果に加えてリラックス効果も期待できます。

もし慢性的に身体が冷えるのであれば、お灸でツボを刺激するのも良いでしょう。

熱によってやけどするリスクもあるため、お灸は医師や鍼灸師の指導を受けながら使ってください。

なお、カイロや入浴剤、お灸など、身体を温められる便利なアイテムは、スギ薬局でも多数取り扱っています。

まとめ

普段から身体の冷えが気になっている方は、この記事で紹介した陽性の食べ物を意識して摂取し、身体を内側から温めましょう。

ただし、陰陽のバランスをとることが大切なので、陽性のものばかりを摂取するのではなく、バランスの良い食事を心掛けてください。

食べ物で身体を温めることはもちろん、身体を外側から温めることも大切です。

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