花粉症によって生じる、目の充血やかゆみといった症状はつらいものです。

症状がつらくて仕事や生活に支障が出てしまい、困っている方は多いかもしれません。

花粉症が原因で起こる目の症状は、目薬で対処できる可能性があります。

目薬の正しい使い方を知って、つらい症状の改善を目指しましょう。

この記事では、花粉症対策として使える目薬の種類や、適切な使い方を解説します。

これから目薬の購入を考えている方、正しい目薬の使い方が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

花粉症におけるアレルギー反応のメカニズム

そもそも花粉症とは、花粉がアレルギーの原因となって引き起こされるアレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎のことです。

主な症状には、目のかゆみ・目の充血・くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどがあります。

花粉症によって目の症状が生じるのは、花粉が目に侵入すると、目を刺激する物質であるヒスタミン、プロスタグランジンなどの化学伝達物質が肥満細胞から放出されるためです。

花粉症といえばスギが有名ですが、季節によって原因となる花粉の種類は異なります。

春はスギ・ヒノキ・ハンノキ、夏はイネ・シラカンバ、秋はブタクサ・ヨモギ、カナムグラ、冬はスギが代表的です。

また、花粉症は発症する季節が決まっており、季節性アレルギー性結膜炎ともいわれます。

もし季節関係なく花粉症のような症状が出る場合は、ハウスダストやダニによる通年性アレルギー性結膜炎が疑われるでしょう。

市販の目薬と処方薬の違い

市販の目薬と処方箋

花粉症による目のトラブルがある場合、目薬を使うと症状が軽減する可能性があります。

花粉症の目薬には、抗アレルギー点眼薬・ステロイド点眼薬・免疫抑制点眼薬の3種類があります。

抗アレルギー点眼薬はヒスタミンの放出を抑える働きを持ち、アレルギー症状の緩和が期待できる目薬です。

スギ薬局をはじめとしたドラッグストアで市販薬が販売されています。

ただし、抗アレルギー点眼薬の詳細な含有成分は商品によって異なるため、購入時には薬剤師や登録販売者に相談し、自分の症状にあった目薬を選びましょう。

もし抗アレルギー点眼薬で症状が治まらない場合は、ステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬を使用しますが、購入には医師による処方箋が必要です。

処方箋の有効期限は発行日を含めて4日間(日曜日や祝日を含む)です。

処方箋を受け取ったら、早めに調剤薬局に行きましょう。

目薬の適切な使い方

ここからは、花粉症対策として目薬を使うときに知っておきたい、目薬の適切な使い方を解説します。

ここでは一般的な使い方を紹介しますが、目薬によって使用方法が異なる場合がある点をご留意ください。

トラブルを避けるため、市販の目薬を使う際は使用説明書をよく読んで使用し、処方された目薬の場合は医師や薬剤師の指示に従いましょう。

1日の点眼回数

1日の点眼回数は、医師や使用する目薬の使用説明書に従うのが基本です。

「症状がつらいから多めにさす」など、自己判断で回数を変えないようにしましょう。

また、目薬は目のかゆみが生じたときに使うのではなく、指定されたタイミングで使用することが大切です。

毎食後に点眼する、休憩時間のタイミングで点眼するなど、自分のライフスタイルにあわせて時間を決めておくと忘れづらくなります。

基本的な点眼の流れ

目薬をさすときの基本的な流れは、以下のとおりです。

1. 石けんで手を洗って清潔にする

2. 上を向いて下まぶたを軽く下に引き、目薬を1滴さす

3. あふれた目薬をティッシュペーパーやガーゼで拭き取る

4. 1分ほど目を閉じて目薬をなじませる

目薬に雑菌が入るのを防ぐため、目薬をさすときに容器が肌やまつげに触れないように注意しましょう。

適切に目薬を使えば目薬の汚染を防ぐことができ、より効果を発揮しやすくなります。

目薬の保存期間

目薬には使用期限が定められており、期限を過ぎたものは使用してはいけません。

一般的に未開封の目薬は、商品に記載されている使用期限まで使えます。

開封済みの目薬の場合、医師による処方薬は開封後1ヶ月、市販薬は3ヶ月が使用期限の目安です。

ただし、これはあくまでも目安であり、なかには「開封後1週間が使用期限」など定められているものもあるため、自分が使用している目薬の使用期限を確認することが重要です。

目薬の色が変わっていたり浮遊物があったりする場合は、目薬が変質しています。

少しでも違和感があったら使用せずに破棄してください。

目薬を使用するときの注意点

目薬の使用によるトラブルを防ぐためにも、事前に注意点を確認しておきましょう。

以下では、目薬を使う際に気をつけたいポイントを3つ紹介します。

目薬は症状が軽いうちに使いはじめる

目薬は花粉症の症状が軽いうちから、早めに使いはじめることをおすすめします。

毎年花粉症に悩まされている場合は、花粉シーズンが始まる約2週間前から目薬を使いはじめると、症状の軽減に繋がりやすくなるようです。

また、目薬によって目の症状が治まったとしても、アレルギー反応を予防する意味でも、花粉の飛散時期が終わるまで使い続けた方が良いとされます。

コンタクトレンズに対応した目薬を使う

目薬に含まれている防腐剤は、ソフトコンタクトレンズを変形させる可能性があります。

ソフトコンタクトレンズを使用する方は、医師や薬剤師に相談してコンタクトレンズに対応した目薬を使用しましょう。

コンタクトレンズを使用している場合、点眼するときはコンタクトレンズを外し、点眼後は数分間隔をあけてから装着するのが基本です。

なお、眼鏡の方が目に花粉が入るのを防ぎやすく、目にかかる負担も少ないため、花粉が飛ぶ時期はメガネの使用も検討しましょう。

適切に保存して変質を防ぐ

目薬は光に弱いものが多いので、変質を防ぐために保存方法に気をつけなくてはなりません。

付属の袋に目薬を入れ、直射日光が当たらない涼しい場所に保管しましょう。

目薬は冷蔵庫でも保管できますが、凍らないように注意する必要があります。

保存方法が指定されている場合はその方法に従ってください。

花粉症がつらいときは医師に相談する

花粉症の症状がつらいときや市販の目薬で改善しないときは、早めに医師に相談しましょう。

目のかゆみや充血は眼科、くしゃみや鼻水といった鼻の症状は耳鼻科、症状が重いときはアレルギー科の受診が一般的です。

目のかゆみやくしゃみなどの症状は、花粉症ではない可能性もあります。

医師にきちんと診察してもらい、適切な治療を受けることが大切です。

また、妊娠中・授乳中の方は自己判断で市販薬を使用することは控え、医師に相談して薬を処方してもらいましょう。

まとめ

花粉症による目のかゆみや充血などは、目薬を使用することで症状の軽減が期待できます。

市販の目薬を購入するときは、薬剤師や登録販売者に相談して症状にあった商品を選びましょう。

花粉症対策ができる目薬は、スギ薬局でも多く取り揃えています。

お買い物のときにスギ薬局のアプリをダウンロードすれば、スギポイントを貯めたり限定クーポンを取得したりできるので、ぜひこの機会にダウンロードしてご活用ください。

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なお、花粉症の症状がひどい場合や長引く場合、また妊娠中・授乳中の方は、早めの医療機関の受診がおすすめです。

【監修者情報】

松岡俊行

眼科医

大阪出身。

京都大学医学部医学科卒。

大学院在学中に「Science」に、ロンドン留学中に「Nature」に論文掲載。

現在は、自身のクリニック：「医療法人アメミヲヤ江坂まつおか眼科」で地域医療に力を注いでいる。

日本眼科学会認定　眼科専門医

医学博士(京都大学にて取得)

グラクソ・スミスクライン株式会社

ボトックスWEB講習・実技セミナー修了

日本眼科学会オルソケラトロジー講習会修了