気が付いたら足の皮がむけていたけど、痛みもかゆみもない経験はありませんか。

普段、靴下で覆われている足の異変は、なかなか気がつかないものです。

「足の皮がむける＝水虫」のイメージが強いため、足の皮がむけているのを発見すると、水虫になってしまったかもしれないと心配になる方は少なくないでしょう。

足の皮がむけるのは水虫の症状ですが、ほかに原因がある可能性もあります。

今回は、足の皮がむけるのにかゆくない場合に考えられる主な原因、水虫の症状と水虫に似た症状が現れる疾患に関しても紹介します。

水虫にかかっていた場合の対処法も紹介するので、足の皮がむける症状にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

足の裏の皮がむけるけどかゆくない場合に考えられる主な原因

たくさん歩いたときやプールやお風呂でふやけたときなど、足の皮がむける原因は、皮膚疾患以外にもさまざまです。

まずは、足の裏の皮がむけるのにかゆくない場合に考えられる、主な原因からチェックしていきましょう。

水虫

水虫は「かゆい」イメージが強いですが、足の皮がむけているのにかゆくない場合も水虫の可能性があります。

「水虫」は、白癬菌が体に感染し発症する皮膚疾患で、指の間がジュクジュクするタイプやカサカサになるタイプのような複数のパターンがあり、かゆみが発生しない場合もあります。

特に足の裏がカサカサするタイプの水虫はかゆみがないことが多く、乾燥によるものと思い込んで放置してしまう方が多いです。

すべてのパターンの水虫は皮がむけやすくなる特徴があるので、足の皮がむける場合は水虫の可能性があります。

白癬菌は、素足が触れるところに潜んでおり、家庭内でも水虫の方とバスマットやスリッパを共有すると感染するため、誰でも感染するリスクがあると言えます。

足の裏の乾燥

足の裏が乾燥していると、角質が硬くなり、摩擦を受けたときに皮がむけることがあります。

特に気温が下がり乾燥しやすくなる冬は、かかとがひび割れて出血する場合もあります。

乾燥によって、足の皮がむける場合は、お風呂上がりの清潔な足に保湿クリームを塗ると良いでしょう。

クリームを塗ってから、靴下を履くと保湿効果の向上が期待できます。

汗をかきやすい

足の裏に汗をかきやすい方は、ふやけて皮がむける場合があります。

普段から足に汗をかきやすい方は、足用の制汗剤を使用して、なるべく汗を抑えるようにしてみましょう。

皮がむける水虫の主な症状

足の皮がむける場合に、やはり気になるのが水虫にかかっているかどうかでしょう。

水虫のタイプ別に症状を紹介するので、ご自分の症状と比較してみてください。

また、初期段階の水虫は、かゆみがないことも多く、皮がむける特徴があります。

水虫かどうかを自己判断するのは難しいので、かゆみがなくても水虫かどうかが気になる場合は、一度医療機関の受診をおすすめします。

趾間型（しかん）水虫

趾間型水虫は、指の間にできる水虫で、水虫の中でもよく見られるタイプの水虫です。

指の間がジュクジュクする、白くふやけて皮がむける症状が現れます。

小指と薬指の間にできやすい特徴があり、赤くただれる、乾燥して皮がむけるなど、さまざまな症状が出ることもあります。

小水疱型水虫

小水疱型水虫は足の裏や側面に、小さなブツブツや水ぶくれができるタイプの水虫です。

湿気の多い季節によく見られ、乾燥する季節になると治まっていきますが、夏になると症状が出てくる特徴があります。

角質増殖型水虫

角質増殖型水虫は、足の裏が白くなりカサカサになるタイプの水虫です。

冬に悪化しやすい特徴を持ち、かかとを中心に足の皮が分厚くなるため、ひび割れを起こすこともあります。

水虫と似た症状が現れる疾患

足の裏の皮がむけると水虫だと思いがちですが、他にも似たような症状が出る皮膚疾患もあります。

足の皮がむける場合に考えられる主な皮膚疾患の症状を紹介します。

もしご自分の症状が当てはまる場合は、なるべく早く医療機関を受診するようにしてください。

汗疱（かんぽう）

汗疱は汗が皮膚の中にたまる皮膚疾患で、水虫と似たような透明な水泡ができます。

足の裏の皮がむけると、かゆみや痛みを感じることもあります。

季節の変わり目の春から夏にかけて症状が出やすく、悪化しやすい傾向にあります。

接触皮膚炎

接触皮膚炎とは、一般的に「かぶれ」とよばれる症状です。

外的刺激や香料、植物、金属によるアレルギー反応が原因で、症状としてかゆみや赤み、水疱が挙げられます。

掌蹠膿疱症（しょうせきのうほうしょう）

掌蹠膿疱症とは、足の裏や手のひらを中心に膿を伴った小さな水ぶくれができる皮膚疾患です。

繰り返しできることが特徴ですが、原因は明確になっていません。

接触しても他の人に感染しませんが、足の裏や手のひらだけでなく、膝やすね、頭に症状が出ることもあります。

足の裏の皮がむける水虫の対処法は？

足の裏の皮がむける水虫の対処法は

足の裏の皮がむけるさまざまなパターンを紹介してきましたが、やはり水虫の可能性が高そうと感じた方はご自分で行える対処法を紹介するので、参考にしてください。

ただし、水虫と判断するのは難しいので、他の疾患が考えられる場合は、一度医療機関を受診するようにしてください。

足の裏を清潔に保つ

水虫になった場合は、足の裏を清潔に保つことが大切です。

外出の有無に関わらず、毎日必ず足を洗いましょう。

ただし、足を洗うときは、ゴシゴシ擦ると肌にダメージを与える可能性があるので、石けんをしっかり泡立ててから優しく洗ってください。

また、足を清潔に保つことで、他の人に感染させづらくなり、予防にもつながるといわれています。普段から水虫を意識して、足を洗うようにしましょう。

足の裏に湿気をためない

水虫の原因となる白癬菌は、高温多湿のところを好みます。

足の裏に湿気をためないように、通気性の良い靴や靴下を履くようにしてください。

革靴やパンプス、ブーツは通気性が悪いので、なるべく避けるようにしましょう。

また、仕事の関係でどうしても靴を履く時間が長い場合は、5本指ソックスを履く、指の間にガーゼを挟むなど、指と指がくっつかない工夫をしましょう。

家族に感染させないようにする

水虫は、他の人や家族に感染させる可能性があります。

水虫になった場合は、先述したように足の裏を清潔に保ち、家族とバスマットやスリッパを共有しないようにしてください。

感染リスクが高い浴室周辺は、こまめに掃除機をかけ、湿気が高くならないように換気をするのも良いでしょう。

市販の水虫薬を試す

水虫で間違いなければ、市販の水虫薬を試す方法もあります。

水虫薬は、ドラッグストアで手軽に購入できますが、水虫と似た症状の皮膚疾患だった場合は悪化する可能性もあるので、注意が必要です。

市販の水虫薬を試す場合は、薬剤師に相談して、適切な使用方法を確認してから、用法用量を守って使いましょう。

もし、市販の水虫薬を使用しても症状が治らない場合、悪化した場合は、医療機関を受診するようにしてください。

まとめ

足の皮がむけるのにかゆみがない場合は、さまざまな原因が考えられますが、水虫の可能性もあります。

記事で紹介した他の皮膚疾患の可能性が低い場合は、ドラッグストアでも豊富に販売されている市販の水虫薬を試す方法もあります。

スギ薬局では、薬剤師と登録販売者がいるので、症状や悩みを相談してから水虫薬を使ってみてください。

ただし、市販の水虫薬を使っても症状に変化がない場合、悪化が見られた場合は、医療機関を受診するようにしてください。

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【監修者情報】

コッツフォード良枝

銀座禅クリニック院長

美容外科・皮膚科医師/日本抗加齢医学会専門医

山梨大学医学部卒業。

国際医療センター国府台病院を経て、日本医科大学麻酔科学講座に入局。

2011年から皮膚科、美容皮膚科、美容外科に従事。メディア出演も多数。