近年、さまざまな場所で「断食（ファスティング）」という言葉を聞くようになり、気になっている方は多いかもしれません。

断食には嬉しい効果があるとされていますが、自己流で行うと逆にリスクが生じる可能性があります。

メリットとデメリットの両方を理解して、無理なく適切に取り組むことが大切です。

この記事では、断食の概要や効果、やり方について解説します。

断食に頼らずに健康を目指す方法も紹介するので、健康に関心が高い方はぜひ参考にしてください。

断食（ファスティング）とは一定期間食事を断つこと

そもそも「断食（ファスティング）」とは、一定期間食事を断つことをいいます。

ファスティングは、英語のfast（断食する）が由来となっています。

断食の主な目的は、乱れた食生活によって疲れた内臓を休ませて、身体を正常なリズムに戻すことです。

断食の期間は半日から数日間が多いですが、医師の指導のもと数週間行うこともあります。

完全に飲食を断つ方法や飲料は飲める方法など、同じ断食といっても取り組み方はさまざまです。

断食で得られる効果

断食によって得られる効果はさまざまあるとされていますが、ここでは代表的なものを2つ紹介します。

減量・ダイエット効果が期待できる

断食中は何も食べないため、新たにエネルギー補給がされません。

したがって、身体に蓄えられている糖質や脂肪をエネルギーとして使うことになり、体重の減少が期待できるとされています。

また、過食や偏食をしていた場合、これまでの食生活を見直す機会になり、乱れた食生活のリセットにも繋がる可能性があります。

腸内環境が整いやすくなる

食生活が乱れていると、常に胃腸が働き続ける状態になって負担がかかり、腸内に悪玉菌が増殖して腸内環境が悪くなります。

食事を断っている間は消化活動が行われないため、働きすぎていた胃腸の回復が促され、腸内環境が整うことが期待できるとされています。

断食で生じるリスク

一定期間食事を断つ断食には前述したメリットがある一方で、体調面へのリスクもあるため注意が必要です。

断食中は摂取カロリーの減少によって、頭痛・めまい・眠気・吐き気・だるさ・下痢などが起こる場合があるとされています。

無理な断食は行わず、医師による指導を受けながら適切に行いましょう。

断食による身体への負担を避けるため、身体に不調がある方や現在通院中の方、これまでに大きな病気にかかったことがある方は断食を避けるのが望ましいとされています。

妊娠中・授乳中・生理中の方も同様です。

また、成長期の方や体重が軽い方は栄養不足になる恐れがあるため、基本的に断食はおすすめできません。

健康な方であっても、断食中に何らかの症状があらわれた場合には、断食を中断して医師による診察を受けましょう。

断食のやり方

断食のやり方はさまざまありますが、ここでは一般的な例を紹介します。

あくまでも一例なので、実際に断食するときは自分の体調を考慮しつつ、必要に応じて医師に相談しながら行ってください。

断食の時間・日数はさまざま

断食する時間や日数の幅は広く、例えば「朝食だけ抜く」「16時間、食事を断つ」「半日から3日間程度固形物を食べない」といった方法があります。

自分の生活や体力にあわせて、無理なくできる時間からはじめると良いでしょう。

完全に何も食べない断食もありますが、空腹時には飲み物を飲んで最低限の栄養を摂取する方法もあります。

酵素ドリンクやプロテインなど、断食中に栄養が摂れるドリンク類はスギ薬局でも取り扱っているため、ぜひお役立てください。

医療機関や専門施設で行うことも可能

自宅で断食する以外に、医療機関や断食を専門としている施設で断食する方法もあります。

こうした機関を活用すれば、医師や専門家による指導のもと断食でき、万が一断食中に体調が悪くなっても、すぐに対処してもらえるところが利点です。

間違った方法で断食すると健康に悪影響を及ぼすこともあるため、知識に不安がある方や自分にあった方法で無理なく断食したい方は、医療機関・専門施設の利用も検討しましょう。

健康のために日常生活でできること

健康的な生活を目指して断食を検討する方は多いかもしれませんが、断食以外にも健康のためにできることは数多くあります。

ここからは、毎日健康的に過ごすために日頃からできることを紹介するので、ぜひ普段の生活で取り組んでみてください。

栄養バランスが整った食事をとる

健康のために日常生活でできること

「太ったから断食する」など、体重が増えてから対処するのではなく、普段からバランスの良い食事を心掛けることが大切です。

主食・主菜・副菜の3つが揃った食事を基本として、1日3食きちんと食べつつ、食べ過ぎや偏食には気をつけましょう。

スマホのメモ機能やアプリを活用して毎日の食事を記録すると、自分がどのような食生活をしいるのか把握しやすくなります。

無意識に食べ過ぎていることに気づくだけでも、ダイエットに活かしやすくなるでしょう。

喫煙・過度なアルコール摂取は控える

喫煙すると、がんや脳梗塞、心筋梗塞など病気のリスクが高まるとされています。

周囲の人にも「受動喫煙」という形で悪影響を与えるため、自分だけでなく周囲の人の健康も考えて、禁煙を検討しましょう。

また、過度なアルコール摂取は生活習慣病の原因となり、睡眠の質の低下にも繋がります。

無理な飲酒を避けて自分のペースで適量を飲み、定期的に休肝日を設けて、肝臓にかかる負担を減らしましょう。

ストレスを溜めない

ストレスによる過食や偏食で食生活が乱れている場合は、断食よりも原因となるストレスの解消が優先です。

自分がどのようなことにストレスを感じているのかを把握して対処し、ストレスをできるだけ溜めないようにしましょう。

ストレスを感じたら、好きな音楽を聴く、アロマを焚くなど、自分がリラックスできることに取り組むのがおすすめです。

運動を習慣にする

健康維持のために、少しずつでも毎日運動する習慣をつけましょう。

厚生労働省では、1日に数回、10分程度の歩行を行うだけでも健康上の効果が期待できる（※）としています。

これまで運動の習慣がない方は、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動からはじめてみましょう。

エスカレーターではなく階段を利用する、1駅早く電車を降りて歩いて帰るなど、ちょっとした日々の積み重ねも運動量の増加に繋がります。

（※）厚生労働省身体活動・運動

十分に睡眠をとる

十分に睡眠をとり、心身ともに休息することも健康にとって重要です。

朝目覚めたら、太陽の光をしっかり浴びて体内時計を整えましょう。

日中、太陽光を浴びることで、夜の眠気を促す「メラトニン」という睡眠ホルモンが正しく分泌されます。

また、湯船にゆっくり浸って身体を温めると自然な眠りに繋がりやすくなるため、就寝する約2時間前に入浴するのもおすすめです。

入浴剤を入れるとリラックス効果も期待できるので、ぜひスギ薬局でお気に入りの入浴剤を見つけてください。

まとめ

一定期間、食事を断つ断食は、ダイエットや腸内環境の改善といった効果が期待できるとされています。

しかし、断食すると頭痛やめまいといった体調不良が生じるリスクもあるため、必要に応じて医師に相談しながら適切に取り組みましょう。

また、身体の健康のためには、普段からバランスの良い食事をとり、ストレスを溜めない生活を送ることも大切です。

バランスが整った食事を自分で作るのが難しい方は、管理栄養士が考案した食事が手軽に食べられる「スギサポdeli」をぜひご活用ください。

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断食をする前に、バランスのとれた食事で身体を整えることも検討してはいかがでしょうか。