赤ちゃんが生後２ヶ月になると、ミルクを飲む量や頻度が以前よりも高くなります。

母親にとって大変な時期ですが、赤ちゃんの成長のために、適切な量の母乳やミルクを与えなくてはなりません。

この記事では、生後２ヶ月の赤ちゃんに必要なミルクの量をメインに解説するとともに、母乳・ミルク・混合のそれぞれの与え方や、「母乳が出ない」などのよくある不安についても説明します。

赤ちゃんへの授乳に関して悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

生後２ヶ月の赤ちゃんにはどんな特徴がある？

特にはじめての子どもの場合は、「生後２ヶ月経つと、どんなことができるようになるの？」「うちの子どもが平均的な育ち方をしているか不安」など、いろいろなことが心配になるものです。

まずは、生後２ヶ月経った赤ちゃんが、どの程度成長しているのかを簡単に解説します。

生後２ヶ月の赤ちゃんの身長・体重

乳幼児における身長・体重などの身体的な発育については、厚生労働省の「乳幼児身体発育調査（※）」が参考になります。

生後2か月の身長・体重

生後2か月の体重

生まれたばかりのころと比べると、身長は5〜10cmほど伸び、体重は2倍近い値になります。

体重は１日あたり、25〜30gほど増加するのが一般的なようです。

しかし、これらはあくまで目安であり、中央値から離れているからといって問題があるとは限りません。

「大きくかけ離れているから不安」といった場合においては、医師に相談すると良いでしょう。

（※）厚生労働省「乳幼児身体発育調査」

生後２ヶ月経った赤ちゃんができるようになること

生後２ヶ月といえば、身体の機能が成長し、活発に動くようになる時期です。

自分から手を開いたり、足をバタバタさせたり、指をしゃぶったり、また子どもによっては全身を動かして遊びまわるようになる場合もあるとされています。

首が座るのは生後３〜４ヶ月ごろが一般的といわれていますが、なかには生後２ヶ月で座り始める子どももいるようです。

「うつ伏せの状態で、首を自分から動かすようになった」「抱いたとき、以前より首がしっかりしているように感じる」といった変化があらわれたら、それは首が座りはじめている証拠です。

そのころになると、はっきりと声を発したり、笑ったり、目でものを追うようにもなってくるとされています。

生後2ヶ月の赤ちゃんに必要なミルクの量

赤ちゃん

乳幼児においては、授乳による栄養の摂取が重要であり、必要な量をきちんと与えることが求められます。

赤ちゃんへの授乳は、母乳・ミルク・混合（母乳とミルクの両方）の３つの方法が一般的です。

以下では、それぞれの方法について必要な量の目安を解説します。

母乳の場合

母乳を与える量は、１日あたり700〜1,000ml程度が目安とされています。

しかし、量をコントロールできる粉ミルクと違い、実際に飲んでいる母乳の量を把握するのは難しいものです。

そこで、与える回数と授乳にかける時間を把握する手段があります。

母乳を与える回数は、１日あたり７〜８回以上をひとつの目安とし、赤ちゃんが欲しがったら与えましょう。

昼間は１〜３時間おき、夜間は４〜５時間おきに、左右で10分程度ずつ与えるのが良いとされています。

１回の授乳時間が30分を超えるようなときは母乳不足の可能性があるため、心配であれば産婦人科などに相談したり、代わりにミルクを与えたりするのも有効なようです。

ミルクの場合

ミルクを与える場合は、商品のパッケージに記載されている量を参考にしましょう。

一般的には１回あたり140〜160ml程度で、授乳回数は６〜８回ほど、そして１日あたり合計700〜1,000ml程度与えるのが良いとされています。

ミルクは母乳より消化に時間がかかるため、母乳を与える場合より、授乳の間隔が長くなるようです。

赤ちゃんの様子を見つつ、３時間おき程度の間隔で与えると良いでしょう。

混合の場合

母乳だけでは足りない場合などにミルクで補完するのが混合授乳、あるいは混合育児や混合栄養と呼ばれるものです。

先に母乳をどれだけ飲んだか把握するのが難しいため、ミルクを足す量もまた悩みやすいといえます。

そんなとき、与えるべきミルクの量を把握する方法として、母乳を与える前と与えた後の体重の差を計測する手があります。

例えば、１回あたりの授乳量を140mlとした場合、母乳を与えた後に体重が80g増えていれば、60ml程度のミルクをさらに与えることになります。

「ベビースケール」などと呼ばれる赤ちゃん用の体重計があると、その量がより的確に判断できて便利です。

ただし、母乳とミルクを使い分ける方法については、「母乳を与えた後に、ミルクで不足分を補う」「朝・晩は母乳で、昼はミルクを与える」などいくつものパターンがあります。

それぞれのライフスタイルや体調などを考慮して、できるだけ母体に負担がかからない方法を選びましょう。

ミルクの量に関する不安について解説

はじめて授乳をする場合や「最初に生まれた子どもは、もっと飲んでいた」などという場合には、きっと不安になることでしょう。

「母乳が十分に出ない」「赤ちゃんが飲むのを嫌がる」と悩んでいる母親も多くいるようです。

そこで、授乳が必要な時期によくある不安について解説します。

なかなか解消できない問題がある場合は、産婦人科などの医療機関に相談することも検討しましょう。

母乳が満足に出ない場合は、どうすればいいの？

母乳があまり出なくて困っているときは、先述したようにミルクで補う方法のほか、母乳の量を増やすためにできることもあります。

そのひとつが、母乳の量が足りていないようであっても、母体に負担がかからない程度にしっかり吸わせることです。

赤ちゃんに吸ってもらうことで、母乳の分泌が促されるといわれています。

また、母乳量は食生活からも影響を受けるとされています。

ご飯・肉・魚・野菜などたくさんの食材から、バランスよく栄養を摂ることが大切です。

さらに、母乳のほとんどが水分であるため、普段の水分補給も欠かせません。

できるだけストレスを溜めず、睡眠時間が不足しないように配慮し、体調を整えることも心掛けましょう。

授乳の間隔が短い、あるいは長いときがあっても大丈夫？

赤ちゃんがミルクを飲む間隔については個人差が大きく、多少、授乳の間隔が短かったり長かったりしても、それほど心配する必要はないとされます。

今回お伝えしている授乳の間隔も、あくまで目安です。少し目安とズレているからといって授乳の時間をシビアに管理する必要はなく、赤ちゃんが欲しがったら与えて、飲もうとしなければ無理に飲ませないようにしましょう。

ただし、「お腹が空いているはずなのに飲むのを嫌がる」といった場合には、何らかの理由が考えられます。

ミルクの温度が適切でない、哺乳瓶の乳首の形状が好みでないといった理由もあり得るため、赤ちゃんの様子を伺いながら改善を目指し、必要に応じて医療機関に相談しましょう。

飲むミルクの量が少なくても問題ない？

１日に飲む母乳やミルクの量も、授乳間隔と同様に個人差が大きくあらわれるとされています。

ですが飲む量が少ない状態が続くと体重が増えず、平均的な値を下回る可能性があるため注意が必要です。

逆に、体重が正常に増えている（１日あたり25〜30g程度）のであれば、それほど心配する必要はないとされています。

とはいえ現状が問題ないのか、自分で判断するのは難しいものです。

「赤ちゃんが上手に吸えていない」「体重が正常に増えていない」など心配なことがある場合には、産婦人科や助産院で相談しましょう。

また、授乳に関する悩みがある場合は、「母乳外来」を受け付けている施設をさがすのもひとつの選択肢です。

「乳頭が痛い」など、母体に関する悩みについてもサポートしてくれます。

ミルクの量が足りているかを判断する目安

赤ちゃんへの授乳量が足りているかどうかを判断する目安として、赤ちゃんの様子から判断する方法と、授乳量から判断する方法があります。

赤ちゃんの様子から判断する場合、以下のポイントを確認しましょう。

体重がしっかり増えているか
赤ちゃんの機嫌が良さそうか
下痢や便秘になっていないか
尿や便がちゃんと出ているか

また、赤ちゃんに必要な授乳量から判断する場合には、以下の量が目安となります。

1日あたりの授乳量：700〜1,000ml程度
1回あたりの授乳量：140〜160ml程度
1日あたりの体重増加量：25〜30g程度

これらを参考にして、赤ちゃんの成長のために必要な量を、毎日与えられているか考えてみましょう。

まとめ

哺乳瓶

赤ちゃんが生後２ヶ月の時期は、生まれたばかりのころと比べて、育児のやり方もある程度わかってくるころでしょう。

しかしそれでも、授乳は赤ちゃんの成長において大切なだけに、不安な点も尽きないものです。

１回あたりの授乳で赤ちゃんが飲む量やペースは、個人差が大きくあらわれます。

あくまでも大切なのは、身長や体重がしっかり増え続けていることです。

日頃から成長の度合いを確認しつつ、母乳だけだと不足しそうな場合には、必要に応じてミルクを活用する方法もあります。

スギ薬局でも、粉ミルクや離乳食など、授乳期やそれ以降の育児をサポートする商品を取り揃えています。

ミルクであれば母親以外の人でも与えられるため、家族みんなで育児に取り組みましょう。

また、育児に関して不安や悩みがある場合には、自分や家族だけで抱え込まないことが大切です。

必要に応じて医療機関に相談することも検討しましょう。