子どもの成長には、栄養バランスが良い食事を与えることと同じくらい、どのようなおやつを与えるかも大切です。

「そもそも、2歳の子どもにおやつを与えていいのか」「手作りした方が良いのか」など、2歳児のおやつについて悩みが尽きない方がいるかもしれません。

また、大人と同じおやつを与えてもいいのか疑問に感じる方もいるでしょう。

そこでこの記事では、医師監修のもと、2歳の子どもに与えるおやつについて食べさせ方や選び方などをわかりやすく解説します。

大人のおやつとの違いを知って、2歳の子どもにあったおやつを与えましょう。

ぜひおやつを上手に取り入れるポイントを知って、これからのおやつタイムに役立ててください。

2歳児におやつが必要な理由

まずは、2歳児におやつが必要であるとされる理由を知りましょう。

子どもは胃が小さく、1度の食事でたくさん食べることができないため、おやつで栄養を補う必要があります。

2歳児に与えるおやつは、「第4の食事」として考えましょう。

通常は1日3食で栄養バランスを考えますが、おやつを与えるときは、おやつ1食分をプラスして、1日4食として栄養バランスを考えます。

また、「おやつ」というと大人が食べる甘いおやつを想像するかもしれませんが、2歳児向けのおやつは大人向けのおやつとは異なります。

2歳児のおやつは、不足している栄養を補う「補食」ととらえると、どのようなものを与えれば良いか考えやすくなります。

2歳児へのおやつの食べさせ方

2歳児に与えるおやつは、大人のおやつとは違う方法で食べさせましょう。

食べすぎを防ぐために知っておきたい、食べるタイミングや量を紹介します。

おやつを食べるタイミングと回数

2歳児のおやつは、食べる時間をきちんと決めることが大切です。

子どもがせがんでも特別な事情がない限り、決めた時間以外に与えないようにしましょう。

基本的には、食事と食事の間、1日1〜2回をおやつの時間にするのがおすすめです。

おやつで食欲が満たされることを防ぐため、食事の直前におやつを与えるのは避けましょう。

おやつの量の目安

おやつはあくまでも食事で不足する栄養を補うものであり、与えすぎてもいけません。

1日のおやつの合計は100〜150kcal程度、1日の消費エネルギーの10～15％程度にするのが目安とされています。

おやつを1日2回に分ける場合は、合計が100〜150kcal程度になるように大体の目安で良いので考えてみましょう。

2歳児におすすめのおやつ

バナナ

大人のおやつといって一般的に想像するのは、チョコレートやクッキーなど甘いものですが、2歳児に与える場合は「食事で不足するものを与える」意識を持ちましょう。

2歳児のおやつには、即効エネルギーになる炭水化物・不足しがちなカルシウムを多く含む乳製品・野菜・小魚・果物などを上手に組み合わせるのがおすすめです。

例えば、おにぎり・さつまいも・バナナ・りんご・チーズ・ヨーグルトなどが挙げられます。

ほかの食事との栄養バランスを考えて、不足しやすい栄養素が含まれたものを与えましょう。

子どもには凝った調理方法のおやつではなく、食材そのままの味わいが感じられる食べ方が良いでしょう。

市販のおやつを選ぶときのポイント

忙しくて手作りのおやつを用意するのが難しい場合は、ドラッグストアやスーパーで購入できる、市販のおやつを使用することも検討しましょう。

ここからは、2歳児に与える市販のおやつを選ぶときのポイントを紹介します。

甘すぎるもの・濃い味・油が多いものは避ける

子どもの健康を考えて、甘すぎるもの・濃い味・油が多いものは避けましょう。

具体的な例としては、大人向けのチョコレートやクッキー・ケーキ・スナック菓子などがあります。

2歳児に与えるおやつは、子ども向けとして販売されている、砂糖や塩分が少ないものがおすすめです。

小分けの袋のおやつを選ぶ

おやつを食べすぎると朝昼晩の食事を食べなくなるほか、健康に良くない影響を与える可能性があります。

食べすぎを防ぐために、小分けの袋に入った市販のおやつを選ぶと良いでしょう。

小分けになっていない場合は、食べさせる分だけお皿に出して与えると食べすぎが防げます。

喉に詰まりやすいものには注意する

2歳児はまだ上手に噛むことが難しいので、硬いものや喉に詰まりやすいものは避けてください。

例えば、飴・ガム・お餅・グミ・硬い豆・ナッツ類・こんにゃくゼリーなどは与えないようにしましょう。

柔らかいものでも大きければ喉に詰まる可能性があるため、小さく切ってから与えることが求められます。

食べ物による思わぬ事故を防ぐために、与えるものや与え方には気をつけなくてはなりません。

例えば、ブドウ・さくらんぼ・ミニトマト・ソーセージ・ボールの形のチーズ・うずらの卵などは注意が必要です。

丸い食べ物は、1/4にカットする、細かく刻む、ソーセージは縦に切るなどして、対策をしましょう。

食べるときの行動にも注意する

歩きながら食べる、頬張って食べるという行為は、窒息に繋がることがあります。

食べることに集中させる、水分をとって喉をうるおしてから食べさせる、一口ずつ食べる、話しながら食べない、歩きながら食べない、遊びながら食べないなど、食べるときの行動にも注意をしましょう。

まとめ

2歳児に与えるおやつは大人のおやつとは異なり、食事の不足分を補うものと考えましょう。

食事への影響を避けるため、食べさせすぎないことが大切です。

甘すぎるものや濃い味のもの、喉に詰まりやすいものを与えるのは控えましょう。

2歳児のおやつには炭水化物・乳製品・野菜・小魚など、素材そのままの味わいが楽しめるものがおすすめですが、手作りで用意するのが難しければ市販のおやつを使用する方法もあります。

やわらかいビスケットや小魚、小分けのおやつなど、2歳児向けのおやつはスギ薬局でも取り扱いがあります。ぜひスギ薬局を活用して、日々の育児にお役立てください。

【監修者情報】

工藤先生

工藤紀子

小児科専門医・医学博士。

順天堂大学医学部卒業、同大学大学院小児科思春期科博士課程修了。

栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。現在2児の母。

「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。