3歳を過ぎると、徐々に言葉を覚えて気持ちを上手に伝えられるようになっていきます。

しかし、同時に多くのお母さんを悩ませるのがご飯を食べてくれないことや好き嫌いです。

せっかく頑張って作ったご飯を食べてくれなくて、悲しい気持ちやイライラした経験がある方も少なくないでしょう。

子どもは3歳を過ぎたころから、感性による好き嫌いが出てくるといわれています。

同じ「3歳の子ども」でも体格や性格に個人差があるように「食」に対する考えにも個性が出てきます。

そこで今回は、3歳の子どもがご飯を食べない理由や、食べてくれないときの対処法、ご飯を食べてくれないときにやってはいけないことまで解説していきます。

3歳の子どもがご飯を食べない理由

3歳を過ぎたころからは、「食」だけでなくさまざまなことに個人差が出てくる時期なので、ご飯を食べない理由も幅広いです。

以下では3歳の子どもがご飯を食べないときに考えられる理由を解説します。

お腹が空いていない

単純にお腹が空いていなくて、ご飯を食べないときもあります。

3歳児は2歳児よりも一度に食べられる量が増えるので、次の食事のタイミングでお腹が空かない場合もあります。

おやつの量が多い、おやつを食べてから時間が経っていない、食事の量が多いといった原因が考えられます。

ほかにも、あまり体を動かしていない日は、食事のタイミングでお腹が空かないこともあるでしょう。

好き嫌いが出てきた

3歳からは個人の感性による好き嫌いが出てくるといわれています。

大人の好き嫌いと同じように特定の食べものの見た目や食感が苦手、苦い、しょっぱいなど味に起因する好き嫌いでご飯を食べない可能性もあるでしょう。

ほかにも、1度食べたときに気持ち悪くなったなど、過去の経験から食べられないケースもあります。

体調が悪い

いつもは食べるのに突然ご飯を食べなくなった場合は、体調が悪い可能性もあるでしょう。

3歳では、まだ体調が悪いことを言葉で伝えられない子はたくさんいます。

口数が少ない、だるそうにしている、機嫌が悪いなどのようなことがあれば、無理に食べさせようとせず、体調不良を疑ってください。

ほかのことに夢中

そもそも食事にそれほど興味のない子どももいます。

食事は口や手を動かして何から食べるか考えるので、食べること自体が3歳の子どもにとってはとても疲れる行為です。

食事よりもほかのことへの関心が強く、食に対してあまり興味がない子どもは、ある程度お腹がいっぱいになったら食事を中断してしまうこともあるでしょう。

体に異常がある

口が痛い、食物不耐症、食物アレルギーなど、体に異常があるからご飯を食べない場合もあります。

トマトや果物を食べたときに口が痛くなる口腔アレルギーの可能性もあるので、食べものを極端に嫌がる場合は医療機関に相談してみましょう。

ご飯に対するマイルールがある

3歳はどんどん賢くなっていって、自我が大きくなる時期です。

食事に関しても「ここまで食べたらごちそうさま」「添えてある野菜は食べない」のような、自分なりのルールを作る子もいます。

3歳くらいになると「食べない」という自己主張もはっきりして、自分のルールに沿わない行動は嫌がるようになります。

3歳児がご飯を食べないと起き得る問題

ご飯を食べてくれないときは、放置したい気持ちになりますが、何食も食べないままにしておくと栄養や水分の面で問題があります。

乳幼児の低栄養や栄養障害は、子どもの脳の発育に影響するといわれているため、注意が必要です。

さらに、好き嫌いをすべて受け入れていると偏食になる可能性もあります。

過度な偏食は将来的に生活習慣病を引き起こす原因にもなりかねません。

ご飯の時間が過ぎてから好きなものやおやつばかり与えると、再びご飯のタイミングでお腹が空かなくなり、良くないリズムを繰り返してしまいます。

お腹が空いたといってもグッとこらえましょう。

3歳児の食事量の目安

3歳児の食事量は、18～49歳の成人と比較して2/3程度が目安で、1日3食＋間食で与えましょう。

男の子なら1,300kcal、女の子は1,250kcal程度が1日に摂取するべきエネルギーです。

具体的な例を上げると、朝食が和食ならご飯と味噌汁、納豆を大人の2/3程度、洋食なら食パン6枚切り1枚と野菜、牛乳、チーズなどをあわせましょう。

昼食は玉子とじうどんを大人の2/3程度、夜も大人と同じメニューの2/3を与えてください。

果物も摂るのがおすすめで、バナナなら1本と半分、りんごなら半分が1日に与えて良い量です。

栄養バランスを考えながら、いろんなものを食べさせてください。

特にカルシウムや食物繊維は不足しやすいので、注意が必要です。

3歳児がご飯を食べないときにやってはいけないこと

子どもがなかなかご飯を食べてくれないことが続くとイライラしてしまうこともあるかもしれません。

思うようにご飯を食べてくれないときにやってはいけない対処法をすると、子どもが食事に対して嫌なイメージを持ってしまう可能性があります。

以下では3歳児がご飯を食べないときにやってはいけないことを紹介します。

無理やり口に入れて食べさせる

子どもが嫌だと伝えているのに、無理やり口に食べものを入れると、傷ついたり恐怖感を抱いたりします。

お母さんやお父さんは栄養面を心配して、説得を試みても食べてくれなかったなどさまざまな理由があるでしょうが、大切な子どもを怖がらせてしまうのは悲しいことです。

子どもがその食べものが嫌いな理由を模索して、できるのであれば嫌いな理由を解消できるようにしましょう。

イライラを出してしまう

時間をかけて作ったご飯を食べてくれないと悲しい気持ちになり、イライラすることもあるでしょう。

しかし、イライラとした態度や口調で話すと、子どもは「怒っている」ことしか理解していない場合があります。

悲しい気持ちを伝えるのは悪いことではありませんが、落ち着いた口調で話して、子どもと向き合って気持ちを伝えましょう。

ウソをついて食べさせる

「嫌いな食べものは入っていないよ」とウソをついて食べさせると、ウソに気づかれたときに子どもとの信頼関係を崩す可能性があります。

信頼関係が崩れると、新しい食べものを警戒するようになったり、もっと頑なに食べものを拒否するようになったりする場合もあるでしょう。

調理方法を工夫して、嫌いな食べものを食べさせるときは、秘密にして食べられてから「実はこれには玉ねぎが入っているよ」と、伝えるようにしましょう。

3歳児がご飯を食べないときの対処法

3歳児がご飯を食べないときには、まず子どもがご飯を食べない原因を理解して対処することが大切です。

以下では今回紹介した原因に沿った対処法を解説するので、ぜひ参考にしてください。

ただし、ご飯を食べない理由はそれぞれです。

いろいろ対策をしても全然食べてくれない、偏食がひどい場合は、1人で抱え込まずに医療機関や専門家に相談するようにしましょう。

ご飯とおやつのタイムテーブルを作る

お腹が空いていない、食事に興味がないことが原因の場合は、まずタイムテーブルをつくり「何時までに食べようね」と食事の終わりの時間を決める約束をしましょう。

お腹が空かない子の場合は、食事の時間とおやつの時間の間隔が空くように、タイムテーブルを調整してください。

おやつの量を減らしてみるのも良いでしょう。

ルールを作る

好きなものやおやつばかり食べてしまう場合は、「ご飯を半分以上食べないとおやつはなし」など、ルールを作って子どもと約束をしてください。

遊ぶのが好きな子なら、ご飯をちゃんと食べられたら、その後は好きな遊びをしてあげるのも良いでしょう。

最初はご飯を食べかったときに「お腹が空いたからおやつが食べたい」と、いうかもしれませんが、約束を守ることを優先させましょう。

食事を楽しい時間にする

食に興味がない、ほかのことに夢中な子どもの場合は、食事を楽しい時間になるように工夫してあげましょう。

好きなキャラクターのお皿を使う、食べものを可愛い形に切ってみる、食に関する絵本を読むなど、子どもの好きなものを活用してください。

お庭やベランダでおでかけ風にしてご飯を食べる、レストランごっこをして遊びの一環としてご飯を出してみるなど、子どもの目線になって笑顔になれる食事タイムにしましょう。

イライラしないための工夫

3歳くらいの子どもを持つ母親の約6～7割がご飯を食べてくれない悩みを持っているといわれています。

子どもが食べてくれないことでイライラしないためにも、「自分の子どもだけじゃない」「少しでも食べてくれたらOK」くらいの心構えが必要です。

また、時間をかけて作った料理を食べてくれないとイライラを感じやすくなるので、料理には手間をかけすぎず、疲れたときは市販の食事を活用するのも良いでしょう。

まとめ

3歳児は自我が徐々に大きくなって意思表示がはっきりしてくる上に、個性による好き嫌いが出てくる時期です。

個人差が出てくる3歳は、ご飯を食べない理由もさまざまなので、原因にあわせた対処をしてください。

ご飯を食べないときは無理矢理食べさせるのではなく、子どもが楽しく食事をできるように工夫していきましょう。

また、イライラしないためにも料理に手間をかけすぎず、たまには市販のご飯を活用するのも選択肢の1つです。

スギ薬局でも、子どもが食べられる食品やおやつも販売しています。スギ薬局アプリを活用して、ぜひお得にお買いものを楽しんでください。