はじめての赤ちゃんだと、わからないことだらけで不安になることも多いかもしれません。

特に母乳は新生児にとって大切な栄養源ですが、どれくらい飲めているのかわかりにくいので、母乳量に過不足がないか気になる方も多いでしょう。

実は、生まれたばかりの新生児の胃の容量は30～50mlととても小さく、1度にたくさんは飲めません。

1回にあまり飲まないと感じても心配する必要がない場合が多いです。

しかし、実際どれくらい母乳を飲んでいるのか、母乳量の過不足が気になるのが親心ですよね。

そこで今回は、新生児が1日に飲む母乳量の平均と飲んだ母乳量を測る方法を解説します。

母乳量の過不足があった場合のサインと合わせて、母乳を飲んでくれない場合の対処法も紹介します。

新生児が1日に飲む母乳量の平均は？

新生児はどんどん成長し、胃も大きくなっていくため、1日に飲む母乳量も日々増えていきます。

3時間おき１日８回の授乳をする場合、赤ちゃんの体重にもよりますが、1回に飲む母乳量の目安は「生後日数×10ml＋10ml」といわれています。

生後1週間以内に飲む1回の母乳量の平均をわかりやすく表にまとめたのでチェックしてください。

新生児が1日に飲む母乳量の平均

生後2～3週間になると胃も大きくなってくるので、1回に飲む母乳量が増えてきます。

1回に飲む母乳量は体重1kgあたり約20mlで、3kgなら約60ml、4kgなら約80ml程度で、1日平均にするとだいたい420～560ml程度の母乳を飲みます。

ただし、新生児はまだまだ胃が小さいため、1度に飲める量に個人差があります。

母乳を飲む量が増えてこない、体重があまり増えないなど、不安があれば医師や助産師に相談してみましょう。

母乳を飲んだ量を測る方法

赤ちゃんが飲んだ母乳量を測るのは、1g単位で計測できる「ベビースケール」を活用すると良いでしょう。

ベビースケールとは、赤ちゃん専用の体重計で、測りの部分が大きくなっていて、赤ちゃんが寝転んだ状態で体重を測れるアイテムです。

産婦人科には必ずあるので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。

ベビースケールにはいろいろなものがありますが、1g単位で測れるアイテムを使えば、授乳前と授乳後の体重を測定して、その差で授乳量を把握できます。

ベビースケールがあると、飲んだ母乳量を測るだけでなく、赤ちゃんの体重の変化を細かく把握できるので、成長の目安や安心材料の1つにもなるでしょう。

ただし、飲んだ母乳量に一喜一憂することなく、母乳の分泌の様子や赤ちゃんの体重の経過を見ることが大切です。

心配なことがあれば、母乳外来などで相談してください。

母乳量の過不足がわからない場合の対処法

ベビースケールがない場合、飲んでいる母乳量が足りているのか、または過剰に与えていないか不安になる方も少なくないでしょう。

飲んでいる母乳量が適正かどうかは、母子手帳に記載されている「乳児身体発育曲線」に沿って体重が増えているかをチェックしてください。

赤ちゃんの体重が乳児身体発育曲線の範囲内になっていれば、大きな問題はありません。

以下では、乳児身体発育曲線を見る以外で、母乳が過剰になっている場合と不足している場合に見られるサインを紹介します。

サインが見られた場合の対処法もあわせて紹介しているので、参考にしてください。

母乳量が過剰なサイン

飲んでいる母乳量が過剰になっているときのサインを紹介します。

以下のような状態が見られる場合は、飲んでいる母乳量が多い可能性があるので、授乳回数を減らす、少し搾乳してから授乳するなどして、授乳量を減らしてみましょう。

よく母乳を吐き出す
げっぷやおならが多い
授乳中に口から母乳がこぼれる
お腹にガスがたまりやすく張っている
授乳後に水平に寝かせると泣き出す
授乳後にうなる
苦しそうにいきむ
授乳をしているときにむせる、咳き込む

母乳量が不足しているサイン

飲んでいる母乳量が不足しているときのサインを紹介します。

以下のような状態が見られる場合は飲んでいる母乳量が足りない可能性があるので、授乳回数を増やす、授乳姿勢や吸着を見直すなどしてみましょう。

体重が増えない
元気がなく機嫌が悪い
おしっこの回数が１日6回以下で少ない
うんちの回数が少ない
授乳後にすぐ泣く

母乳を飲んでくれない場合の対処法

生まれたばかりの新生児は、まだ授乳に慣れていないため、なかなか飲んでくれない場合があります。

以下で、母乳を飲んでくれない対処法と原因を解説するので、チェックしてください。

お母さんの生活を見直す

授乳中は水分補給をしっかりしましょう。

母乳の約90％は水分といわれているので、授乳中のお母さんは水分を失いやすくなります。

食事は炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を意識し、バランスの良い食事を摂りましょう。

授乳中に不足しがちな鉄分とカルシウムも摂取してください。バランスの良い食事であれば、制限は必要ありません。

産後しばらくは睡眠不足になり、疲労やストレスがたまることも多いです。家族や周りのサポートを受けて、授乳の合間に休息をして、リラックスできる時間を作りましょう。

乳輪や乳頭をマッサージする

新生児は授乳に慣れておらず、上手く吸着できなくて母乳を飲まない場合があります。

哺乳瓶のほうが飲みやすいから母乳を嫌がる、乳輪や乳頭のむくみで上手く吸着できないから飲まないケースも考えられます。

乳輪や乳頭をマッサージすると乳首まわりが柔らかくなり、赤ちゃんが吸いやすくなるといわれています。

お口にフィットしない可能性が考えられる場合は、乳輪と乳頭をマッサージしてみてください。

母乳が足りない場合はミルクでも良い？

「母乳があまり出ない」「母乳をあげているけど体重が増えない」といった原因が考えられる場合は、市販の粉ミルクを足すのも良いでしょう。

粉ミルクは人間の赤ちゃんのことを考えて作られており、成長に必要な栄養が含まれているので、母乳が足りない場合はミルクを与えても問題ありません。

栄養たっぷりの完全母乳にこだわる方もいますが、母乳が足りずに赤ちゃんの体重が増えないときにミルクを補足することが必要な場合があります。

体重の増え方を確認して、母乳が足りなさそうな場合は、不足分をミルクで補いましょう。

母乳外来などで助産師に相談し、授乳について相談してみるのも良いですね。

また、ミルクは母乳よりも腹持ちが良いので、与える量と回数は注意が必要です。

ミルクについている説明書きをよく読んで、赤ちゃんに与えるようにしましょう。

まとめ

新生児が飲む母乳量の平均は生後1週間までは「生後日数×10ml＋10ml」で計算できます。

ただし、母乳を飲む量には個人差があるので、母子手帳に記載されている乳幼児身体発育曲線どおりに体重が増えているかで、母乳量が適正かをチェックしましょう。

飲んでいる母乳量を知りたい方には、1g単位で測れるベビースケールを活用するのがおすすめです。

授乳前と授乳後の体重を測定することで、正確に赤ちゃんが飲んでいる母乳量を算出できます。

また、母乳が過剰になっているサインや不足しているサインが出ている場合は、対策が必要です。

母乳が足りていないサインが出ている場合は、粉ミルクを活用して赤ちゃんの栄養を補うようにしてください。

赤ちゃんの粉ミルクはスギ薬局をはじめとするドラッグストアで購入できます。

スギ薬局アプリを活用してお得にお買いものを楽しんでください。

【監修者】

坂田先生

坂田陽子

東京都内のNICUや産婦人科に勤務し、師長を経験。延べ3000人以上の母児のケアを行う。

現在は「すみれ出張助産院」を開業し、ご自宅で出産後の母児のケアを行う訪問型産後ケアや母乳育児相談を行っている。

https://sumire-josanin.com/